部員ブログ

2019-9-24
走り続ける(木下哲郎)

小学校から高校まで試合に出る事が当たり前の事だと思っていた私は、大学サッカーの壁にぶつかった。

全国の強豪校出身の選手、Jの下部組織出身の選手、高い志を持った選手達が集まり高いレベルで競争が行われていた。
私もAチームで試合に出るといった高い志を持って入学した。
しかし、上手くいかない事が多く、自分の弱みを克服しようと努力したが、一向に状況は変わることはなかった。
四年間という短い時間が刻々と過ぎていくことに焦りを感じていた。
そこで、私はとにかく誰にも負けない武器を持とうと昔から得意としていた「走り」に磨きをかけた。この努力もあり、Bチームで試合に出してもらえる機会が増えた。
しかし、日に日にライバル達が結果を出し、私はベンチを温める事が多くなっていた。どうして自分が試合に出られないのかといった憤りを感じる事もよくあった。練習や試合でも自分が試合に出られれば良いといった気持ちから自分勝手なプレーをする事が増えていった。しかし、いくら私が好調な時であってもコーチは自分を起用することはなかった。

この状況が変わるきっかけとなったのが今年4月に骨折をしたことだった。
この骨折の時期、チームはIリーグに向けて準備をしており、自分のポジションにはすでに代わりの選手がいて復帰したとしても今のままでは厳しい状況が待っている事が目に見えていた。どうやったら早く試合に出られるのかを考える日々が続いた。とても苦しい時間であったが、多くの人たちの支えもあり、私は予定よりも早く復帰することができた。

そして今季第1節目のIリーグ、私はスタンドで観戦した。試合は負けた。この時のチーム状況を見て思った事は、明らかにチームのために走れる選手が少なかったことだった。
私は「これだ!」と思った。
今までの私は自分が結果を残すため、自分がいいプレーをするためだけに走っていた。しかし、それではチームが勝つ事は出来ない。ピンチの時には全力で戻って体を張り、チャンスと思えば駆け上がる。チームのために走れる選手が今必要とされているのだと気づいたのである。
復帰してからは、どんなにきつくてもピンチの時はダッシュで戻り、チャンスの時はすぐに駆け上がる事を意識し、チームの勝利に貢献することだけを意識した。
チームの勝利のために走ること。
それが自分の役目だ。

これからIリーグも後半戦に入り、一戦一戦が大切になってくる。私が所属するBチームは上のカテゴリーにも下のカテゴリーにも影響を与えられるカテゴリーだと思っている。Bチームが結果を残し、AチームにもCチームにも刺激を与え、関学サッカー部全体が活気溢れるようにしたい。
私は、これから試合に出ていようが出ていなくても自分に何が出来るかを考えられる選手になりたい。これからも関学サッカー部、応援してくれる人達の為に私は『走り続ける』。

男子チーム 3回生 木下哲郎


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