部員ブログ

2021-4-29
面壁九年(臼井貫太)

自分自身にとても響いている言葉がある。

それは「面壁九年」である。
この意味は一つの目的を達成する為に長い年月をかけて辛抱強く努力する事。志を強く持ち自分と向かい合い、様々な困難に打ち勝つ事である。

この言葉に似た本田圭佑選手の

「現実を認めたくない」自分がいて、「現実を受け入れろ」という自分もいる。現実を認めなければ、今を生きることができないですから。

という言葉、この2つの言葉、自分にとって大切にしているものである。この似た意味の二つ言葉と過去の自分に重なるものがある。

私は正直、関学サッカー部に入った時、1回生からすぐAチームに上がって試合に出れるだろうという軽い持ちであった。自分自身、1回生の10月くらいまでは同期のスポーツ推薦組もたくさんBチームで試合に出ていて、Aチームにもダービーで勝てていて、何で俺たちをAチームにあげへんねん。という気持ちが強く、ただ何も考えずBチームでプレーしていて、この状況に満足してしまっている自分がいた。その結果、ダービーでは勝ち越していたものの、BチームのIリーグの結果は予選リーグ敗退。そして個人としても最後の大事な2試合は出場時間0分であった。本当はこの時に自分自身としっかり向き合って考えるべきであったが、その時の自分は自分自身の現状を認めることが出来ず、来年Aチームのサイドバックが全員いなくなるし俺の時代がくると勘違いしていた。今考えると本当に情けないし、何も成長せずに1年間を過ごしてしまったと思う。

そして、自分にとって1番の挫折をしたことによって考え方が変わった。その挫折とは2回生の初めAチームでスタートした。だが、自分が期待していた未来とは全く違い、わずか6日でBチームに落とされたことである。本当に悔しいかった、だけどその時も「何で俺が落とされるねん。」「紅白戦もラインズマンしかしてへんやん。」と自分にではなく、外にベクトルが向いていて全部、人のせいにしていた。自分自身、Bチームに落ちるまで自分の苦手なことから逃げてきた。とにかく長所を伸ばそう伸ばそうとして、自分自身と向き合うことが全くできていなかった。この自分に対して目を背けていた状態が自分の成長を妨げていた大きな原因であった。そして、Bチームに落ちた次の日に、親から大量のノートを渡された。そして、「大学卒業するまでサッカーノートを書き続けて、もう一回自分と向き合う時間を毎日、作るようにしろ。」と言われた。このサッカーノートが自分にとって自分の成長のストッパーを外す要因になった。Bチームに落ちた次の日から現在まで、毎日欠かさずにサッカーノート書き続けている。このサッカーノートを毎日寝る前に書くことによって一日の行動を反省することができる。そのことにより、今日の自分は何が良くて何が悪かったのか、チームのみんなからの信頼を得るためにはどんな人間、どんなサッカー選手にならなくてはいけないのかというのを日々考えて行動するようになり、必然と自分にベクトルが向くようになってきた。今まで外にベクトルが向いていたことに気づかなかったが、毎日の反省をノートに書くことで自分自身と向き合うことができ、自分のことについて目を向ける時間、考える時間が増えた。このことにより、結果的に2回生の夏にはAチームに戻るというBチームに落ちた時に立てた目標も達成することができた。この経験から、本当に自分と向き合うことが大切だということに気付かされた。
上手くいってる時に自分と向き合うことは簡単である。上手くいってない時にどう自分と向き合えるかが、自分自身の成長につながると思う。

そして、本田圭佑選手の言葉のように現実を認めたくない自分がまず、自分の心に顔出す、しかしその状態では昔の自分のようにとにかく外にベクトルが向き、誰かのせいにしてしまう。その状態では絶対に成長はできない。だからこそ、上手くいかない時、なかなか結果が出ない時それは誰かに原因があるのではなく確実に原因は全て自分である。だから、どんな事よりも早く自分と向き合い現実を受け入れることが成長するために一番必要な事だということを今までの大学サッカーの3年間で学べた一つの大きなものである。

そして、最後にもう一つ、私はこの経験をしてから日頃の生活から心掛けている話がある。

「それは坂道を自転車で漕いでいる自分を想像して欲しい。坂道を自転車で登るのは辛いし、登るまでにとても時間がかかる。しかし、下りは自転車を漕がなくても進むから楽で、降りるまでも時間がかからない。」

というものである。
何が言いたいかというと、自分が成長している時(自転車で坂道を登っている時)は自分としっかり向き合い、楽なことよりも辛いことを選び努力を継続できている状態である。逆に成長せずに後退していってる時(自転車で坂道を下っている時)は苦手なことから目を背けて楽なことだけをしている状態である。だからこそ、少しでも成長していけるように自ら楽なことよりも辛いことを選び、上手くいかない時、中々結果が出ない時それは全て自分が原因である。だからこそ、その原因を早く理解して改善するための行動を起こすために、自分にベクトルを向けすぐに向き合うことが大切である。このことを自分の中で常に確認し続けれるようにこの話を日々、意識するようにしている。

そして、今年の関学サッカー部は現在、自転車で坂道を登り初めたところである。今までとは違い、ビジョンの「俺が原動力。」と目標の「日本一」を並列に置いて両方を追い求めるという、まだ誰も頂上が見えていないことにチャレンジをしている。でも関学サッカー部全員が同じベクトルでこの坂道を少しずつ登っていけば必ず成長していけるし、日本一の組織になれると思う。自分自身もこの組織で自分たちから新しいチャレンジをし、高い目標を立て、険しい坂道を登っていこうとしていることにとてもワクワクしている。だからこそ、今年が終わる時には関学サッカー部として成長して、少しずつ坂道を登っていき最終的に必ず日本一からの景色を見よう。そして、その一番高い景色から原動力をばら撒こう。

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