2019-10-17
サッカーを続ける理由(下原翔)
3年前の選手権予選、ベスト8をかけた試合で私たちの学校は神戸弘陵と対戦した。強豪校に対して、私たちの高校はスポーツ推薦はなく、半数以上が中学からサッカーを始めるような高校であり、創部初の県大会だった。結果は0対6の大敗。ゴールはおろか、何度も練習したセットプレーのトリックプレーを試す機会すら与えられなかった。この大敗から私はもっと上のレベルでサッカーがしたいと思い、関学サッカー部に入ることを決断した。
この決断から3年。今、恵まれた環境でプレーヤーとしてサッカーをやらせてもらっていることに本当に感謝している。しかし今の私の現状は一番下のカテゴリーであるC2であり何も成し遂げることは出来ていない。
私はずっと下のチームでやってきたからこそ感じていること、それでもプレーヤーを続ける理由を書いていこうと思う。
このブログがサッカーや他の事で思い悩んでいる人のヒントに少しでもなってほしいと思う。
C2は本当に苦しいカテゴリーである。公式戦は1試合もない。戦術的なことを教えてくれる大人のコーチがいるわけでもない。練習の時間は前日の夜まで決まらないことなんてざらである。上級生になればなるほどこのカテゴリーにいることに焦り、上のカテゴリーにいる後輩に対して肩身の狭い思いをする。大学の友達に「トップで出れる可能性がないのにサッカーを続ける意味があるのか」と冗談半分で言われたこともある。そんな状態でも「この組織にどのように貢献するのか」と突き続けられるのだ。
誰だってまずはサッカーでチームに貢献したい。練習しても練習しても結果が出ない。やっと昇格したと思っても落とされる。練習試合にさえ出れない。C2の一人一人が毎日葛藤している様子を見てきた。
こんな日常でも自分がサッカーを続ける理由はこの組織に与えてもらったものを少しでも還元したいからだ。自分の行動で少しでも他人にいい影響を与えたい。なぜならこんな自分にもたくさんの人がいい影響を与えてくれたからだ。
今シーズンが始まるときに中1からずっと同じチームでサッカーをしてきた2人がプレーヤーを辞めてコンダクターになる決断をした。私はこれからも一緒にサッカーが出来ると思っていた尊敬できる2人とプレー出来なくなることが辛かった。今2人は必死にチームのために動いている。彼らを見ていると、自分はプレーヤーとして2人の分も楽しみたい、結果を出したいと強く思う。
2人だけではなく素晴らしい同期を自分は持った。Iリーグやトップチームで活躍する同期は悔しいと思うと同時に本当に誇らしい。毎日一緒に練習する同期も本当に尊敬出来るやつばかりだ。全員と本気で向き合おうとしてくれる学年リーダーや自分がどうなりたいか悩んでいたときに何時間もガストで話を聞いてくれるような同期たちを持てたことを誇りに思う。それと同時に彼らに対して今度は自分が少しでも支えたい。
さらに言うと私たちの学年には新たな目標を見つけサッカー部を辞めた人もいる。異なる環境で努力している彼らにも少しでも勇気を与えたい。いつも見守ってくれている家族はもちろんのこと、他にもいつも応援してくれている母校の友人や先輩後輩、先生たちに少しでも頑張っていることを伝えたい。だからこそどんな環境であっても自分は自分らしくひたむきに努力を続けようと思う。
C2で、他のカテゴリーで、他のところで自分がどうすればいいか悩んでいるのなら支えてくれる人のためにまずは行動することが大切だと思う。それがいつか組織への貢献に自然と繋がっていくのではないだろうか。それが自分にとってはIリーグ運営であったり、人の悩みを聞くことだった。C2がまず出来ることは常に上を目指し、どこの大学の下のカテゴリーよりも最高の、オンリーワンの、チームを作ることだ。どこの大学よりもトップチームを応援できる組織にすることだ。これからもチームの目標である日本一の力に少しでもなれるよう、自分らしくプレーしていきたい。
男子チーム 3回生 下原翔