2016-12-9
男らしさ(塩谷 知哉)
「サッカーは上手いんだけど、なんかナヨナヨしてるし、いざという時に頼りない」
昨年の関東遠征で4回生のコメントとして井筒主将から頂いたものだ。自分はみんなにこう思われているのかとショックを受けたと同時に、自分を変えるチャンスだと思った。男らしさが足りないんだと解釈し、堂々と自信を持ってプレーしようと努めた。
今年に入り、スタメンを勝ち取ろうと当然意気込んでいた矢先、「塩谷は使いづらい。男らしくないから。」といったニュアンスのことを成山監督が言っていたと小耳に挟んだ。監督の言う男らしさと、私の考えていた男らしさは、少し異なるのではないかと思った。
チーム立ち上げ当初、4回生は私以外全員スタメンだったため、私は自動的にAサブ戦のゲームキャプテンを担うことになった。ゲームキャプテンを務めて、初めて気づいたことがある。それは、私が今まで人に頼りきりでサッカーに取り組んでいたということだ。そして、この時初めての感情が生まれた。俺がチームを勝利に導く。他力本願はやめて、頼られる存在になる。男らしさとは、こういうことなのではないかと、なんとなく答えが見つかった気がした。
Aサブ戦は練習試合だが、相手がセレッソ大阪だろうと、早稲田大学のスタメンだろうと、関学の名を背負う限り負けてはいけない。私がゲームキャンプテンを務めたならば、負けたらそれは私の責任だ。誰よりも責任感、緊張感を持って試合に臨み、誰よりも声を張り、誰よりも気持ちを前面に出して男らしく戦った自信がある。
その自信は結果にも現れた。それまでは、スタメン組としてプレーしても、周りに合わせてしまい、思うようにプレーできないことが多かった。しかし、夏を過ぎた頃、ようやく臆することなく、サブ戦と同じくらいの気持ちで公式戦に臨めるようになった(遅すぎる)。同時に、サブ戦とは比べ物にならないプレッシャーの中、一年を通して男らしく戦ってきた米原をはじめとする仲間達を、本当に凄いと思った。
この仲間達に出会えて良かった。この4年間で成長できた。家族に感謝している。これらの想いをプレーで伝えたい。男らしく戦い、俺が点を取ってチームを勝たせる。
4回生 塩谷知哉