2017-8-2
「今こそ」(池田 奈津美)
私は7月15・16日の2日間、なでしこリーグに所属する某女子サッカーチームのチームビルディングキャンプに運営スタッフ側の立場で参加させていただいた。そのチームは、昨年、多くのベテラン勢が退団し、若手が半数以上を占める選手構成へと変化した。その中で、上手くチームがまとまらず成績不振に悩んでいたのだ。そこで、この状況を打開しようと、ベテラン選手の一人がチームビルディングキャンプの開催を志願したのだ。
私は、この話を耳にして、キャンプへの参加を決意した。なぜなら、私の所属する女子チームも似たようなチーム状況であると感じたからだ。
今年5月、春季リーグ開幕。実力者揃いの1回生を迎え、さらに技術面が強化されたように思われた。しかし、技術面で劣っていないチームに負け続け、気づけば春季リーグ閉幕。2部降格となっていた。サッカーの技術面は、年々上がっているのに、なぜ結果が出なかったのだろうか。
原因はみんなが同じ方向を向けていないことにあった。話を戻すと、キャンプをおこなったなでしこリーグのチームも同じことが原因であった。つまり、戦うフィールドは、プロと学生で異なるが、チームの状況や課題は似ているのだ。そこで私は、今のチーム状況を変えるきっかけを得るために、チームビルディングキャンプへの参加を決意した。
キャンプでは、非日常的な生活を通して、日常生活がいかに満たされているものか身をもって感じた。さらに、合計50キロのマラソンウォークというプログラムでは、しんどい時に、どれだけ周りへのアンテナを長く張って、思いやりの心を持てるかということを学んだ。
キャンプを終えて、改めて、なぜ「サッカーの技術は上がってきているのに、みんなが同じ方向をむけていないのか」について考えてみた。そして私なりに2つの原因を導いた。
1つ目は、みんなどこかで、自分のためだけにサッカーしていることであるのではないだろうか。同じ志を持った仲間がチーム内にいるにも関わらず、自分のことばかりを追求してしまい、勝手に限界を決め、妥協してしまう。これがリーグ中に出し惜しみという形であらわれてしまった。チームのために、自分やチームと向き合っていけば、同じ方向を向くことが可能になるのではないだろうか。
2つ目は、お互いに歩み寄れていないことではないだろうか。キャンプ中にそのチームのキャプテンと話した。その中で印象に残っているのが「人と過去は変えられない」という言葉である。「人の性格は簡単には変えられない、だからこそ仲間同士で足りないところを補い合わないといけない。」と話してくださった。
今のチームは、一緒にサッカーしている仲間のはずなのに、どこか他人行儀なところがあるように感じる。互いに歩み寄ることで、同じ方向を向くきっかけになるのではないだろうか。
色々書いてきたが、私自身には、これらのキャンプでの経験をチームに還元するという使命がある。キャンプでの出来事や臨場感を言葉で伝えるのには限界がある。どのようにして体現していくか。秋季リーグまでに、この使命を果たし、女子チームの1部リーグ返り咲きに貢献したい。
女子チーム3回生 池田 奈津美