部員ブログ

2018-11-21
仲間(西田健人)

 自分にとって、この1年は今までの人生でもっとも苦しい年だった。

 去年からコンダクター(学生コーチ)としての活動を始めた。そして今年からは、C1チームの指揮官として活動させてもらってきた。コンダクターというのは、チームの中で大きな責任がともなう役職である。その活動中、チームとしてなかなかいい結果が得られなかったり、選手との関係が上手くいかなかったりした。グラウンドに上がりたくない、やっぱり自分は向いてないのではないかと思うことが何度もあった。それでも自分は一回も練習を休まなかった。それは、責任感と、なによりもこの関学サッカー部が、そして同期が本当に好きだからだ。好きというのは、一緒にいて楽しい、仲がいいとか、そんなものだけではない。尊敬でき、心から凄いと思える人たちがいるからだ。
 
 今年のC1チームには、苦しい時にチームのために頑張れる4回生がいる。
ONとOFFの切り替えが上手く、ピッチでは厳しく言えて、ピッチ外では後輩を巻き込んでいい雰囲気を作ってくれる4回生。
練習でも試合でもいつも全力で、しんどい時もチーム1走って、頑張ってくれる4回生。
声で盛り上げるわけではないが、闘う姿勢をプレーで見せる4回生。
誰よりも勝負にこだわり、練習中に気の抜けたプレーをしたチームメイトに対して本気で怒れる4回生。
最後までグラウンドに残って自主練し、いつもチームを俯瞰的に見て、現状を指摘することができる4回生。
どんな状況でも、自分のできることを探し、チームのために行動することができる4回生。
自分の時間を削り、何時間もかけて試合のビデオを見て、チームが強くなるために力を尽くしてくれる4回生。
チームが緩んでいるときに、声をかけるだけでなく、プレーでも見せて、しっかりと引き締めてくれる4回生。
プレーで、姿勢でチームを引っ張り、「この人のために」と思わせてくれる4回生。
 
 コンダクターとして良い結果を目指す過程で、同期が今までよりも見えてきた。素直に尊敬できる部分が多かったし、自分も選手として、みんなと切磋琢磨したい。一緒のピッチで戦いたいと思うこともあった。ただ、この立場だからこそ、今まで見えていなかった同期の良さに気づくことができた。そして、より好きになれたのだと思う。選手ではなく、指揮官という立場である以上、みんなは自分のことを仲間とは思えないかもしれないが、自分にとっては、素晴らしい、かけがえのない仲間だ。
 
 C1チームは今年のIリーグで、決勝トーナメント進出にあと一歩及ばなかった。あの時こうしていれば、こう声をかけていれば、こんな練習をしていれば、など考えたらきりがない。ただ、苦しみながらも、目の前の一戦一戦をとにかく勝つために頑張った1年はとても充実していた。悩みながらも仲間とともに戦った経験は価値のあるものだと思う。
 
 関学サッカー部に残されたタイトルはインカレだけだ。Aチームの4回生もチームのために行動でき、尊敬できる仲間ばかりだ。自分にできることは少ないかもしれないが、最後まで優勝を信じて共に戦い続けたい。

男子チーム4回生西田健人


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