2019-5-12
全員で成し遂げる(谷本一星)
この大学サッカーで本気でサッカーをすることは最後になるかもしれない。関学サッカー部でどのような最期を迎えることができるのか。関学サッカー部に入ってよかったと思うためにも全力でやり遂げたい。
今までの人生はサッカー中心で、日常では経験することができない感情をたくさん学ぶことができた。嬉しさ、楽しさ、悔しさ、辛さなど、かけがえのない思い出ばかりである。
特に関学サッカー部での3年間はサッカー人生で1番濃密な時間だった。
私自身は、C1、C2、C3チームを経験した。ずっとCチームだった。自分の実力のなさを痛感し、過去最高に自分の下手さを思い知った。とても悔しく、そして苦しかった。
大学サッカーに挑戦するにあたって、高校では経験できなかった全国大会や日本一を目指したいという気持ちが強くあった。だが、大学サッカーのレベルは高く、今までのようにうまくいかなかった。
1年生の内から、AチームやIリーグで活躍する同期がうらやましくてまぶしかった。
自分はグラウンドを使えずに余白で練習をしたり、グラウンドが使えるのに走るだけの練習をしたり私にとってなかなかの挫折だった。
自分がサッカーをしている姿が大好きな両親にはかっこいい姿を見せられずに悔しかった。
初めての大怪我にも苦しんだ。大事な1年がリハビリで終わってしまった。
大学のサッカーは、悔しくて、苦しくて、達成できたことは何もなかった。
入部する前に、思い描いた大学サッカーとは程遠いものだった。
それでも、諦めずに前を向いて頑張れたのは、どんな状況であっても応援してくれる両親、大きな背中で引っ張ってくれた先輩、生意気だけど頼りになる後輩の存在があったからだ。特に、日本一を共に本気で目指し、いつも側にいる同期の仲間のおかげで自分も諦めることなく上を向き続けられた。
関学サッカー部は、毎年4回生の色があり、日本一の目標に向かって本気で取り組んでいる。日本一になる為には、何が必要なのかを学生主体で考えていろんなことに挑戦してきた。当事者意識の少ない自分を巻き込みながら引っ張ってくれた先輩方が居てくれて、サッカー部のことが、学年が上がるごとに好きになった。
私は関学サッカー部で、ラストイヤーを迎えられることに誇りを持っている。何よりもチームメイトが自分の尊敬できる仲間であるからだ。今年の4回生は人数が少ない。その分、ひとりひとりの影響力が必要で、それぞれの強みを生かしていかないといけない。だれよりも努力し、日本一のチームになることにすべてを懸ける主将の竹本。陰からチームを支え、なんでも任せることができる主務の実言。様々な役割でチームを支え続けるコンダクター、マネージャー。4回生は任された立場でピッチ外でも試行錯誤しながらチームのために新しいことに挑戦し続けている。1回生から続けているミーティングはお互いを知るきっかけにもなった。私は、この尊敬できる仲間が大好きだ。だからこそ、自分もサッカー部のために力になりたいし、最後は全員で喜びを分かち合いたいと心の底から願っている。
そのために今の自分がチームのためにできることは、CチームがIリーグで全国大会に進出することである。そして、Cチームの選手(自分自身も)からA、Bチームで活躍する選手が出てくるようなチームにならないといけない。現状のチーム状況では、到底達成することはできない。シーズンが始まって数カ月たったが、Cチームの主将としてチームをまとめ切れない自分の不甲斐なさ、無力さを嫌になる程感じている。頼りになるキャプテンにはなれていない。今までの自分は、本気で取り組んでいる人に憧れ、追いつこうとしてきた。だが、今度は自分が本気になる立場にならないといけない。本気じゃないやつに後輩はついてこない。自分ができることは、チームに本気で向き合い精一杯の力を尽くすことだ。私は、うまい選手じゃないからこそ、体を張り、声を荒げ、何が何でも勝ちたいと思う気持ちを前面に出していく。
Cチームには自分よりもうまい後輩はたくさんいる。そんな頼りになる後輩達を自分が巻き込んでいかないといけない。
関学サッカー部で過ごしてきた日々はうまくいかないことがほとんどだった。それでも、隣には共に戦う仲間の存在があった。だから、自分もここまで頑張ることができた。
私は、この仲間と大学サッカーで出会えてかけがえのない時間を過ごしてきた。
この仲間と日本一になるために、自分の出せる力全てを注ぎたい。そして、最後に全員で笑顔で喜び合おう。
男子チーム 4回生 谷本一星