2019-9-4
置かれた場所で咲く(太田晃輔)
大学サッカーに挑戦してから2年半が過ぎた今、これまでの経験からその時の考えや心情を踏まえてどのように考えが変わったのか書いていこうと思う。
1年目。指定校推薦で入学した私は、ランテストに合格してC2チームからスタートした。徐々にカテゴリーを上げてもらい、夏以降はbチームで活動した。B2チームでIリーグ、関西の決勝トーナメント、BチームとしてIリーグ全国大会、さらにはIリーグ全国優勝まで経験させてもらい、凄く学びが多かった。Iリーグ全国では、グループリーグ3試合は出場なし、準決勝だけフル出場、決勝戦はベンチ外でスタンドから見ていた。人生で初めて全国優勝を経験した。先輩方や試合に絡んでいた同期などは涙を流しながら、喜んでいた。しかし、私は全く喜ぶことが出来ず、悔しさや自分はスタンドで何をしているんだろうという気持ちが自分の感情を埋め尽くしていた。他のカテゴリーの人達や学校の友達からも「おめでとう」などの祝福の言葉をかけてもらったが、素直に受け入れることは出来なかった。
しかし、大会期間中に同部屋のある先輩からの言葉に救われ、気持ちを元に戻し、この悔しさを自分のこれからの原動力に変えてくれた。その言葉を紹介する。
「『置かれた場所で咲きなさい』という本があります。私はこの本に色んな時に助けられました。怪我や試合に出られず、扱いが酷いと感じる時もあると思います。しかし、絶対に腐ってはいけません。腐るとこれまでの努力が水の泡になります。自分自身、腐らずやってきたつもりです。それでも、今思うと、もっと必死になっていればよかったと思う時があります。晃輔は、素直な心を持っていると思います。その心を忘れず、置かれた場所で咲いてください。これまでありがとう。」
この先輩は今一番チームのために考えてくれて、動いてくれている。その時はこの先輩が選手を辞めると決意し、この言葉を書いてくれたことを思うとこの先輩が日々必死にプレーしている姿を思い出した。このままじゃだめだ、もっとやらないといけないと心を突き動かされた。
2年目。この1年間はBチームで活動した。春先、Aチームに上げてもらったが1週間で落とされた。さらに、夏に足首の靭帯を4本も切ってしまう怪我もしてしまった。このような小さな挫折を経験しながら、年間を通して私はB2チームでIリーグを戦った。チームとしてIリーグ全国大会“連覇”を目標に掲げながら、関西のグループリーグさえも突破することが出来ずに目標達成とはならなかった。その後は地獄の走りや厳しい練習の日々だった。
3年目。やっとの思いでAチームで活動させてもらっている。プレシーズンでは、練習試合でもスタメンで使ってもらうことは一度もなく、今年もリーグ戦に出場するのは厳しいと感じた時もあった。自分の実力の無さをわかっていながら、自分以外のせいにして、言い訳をして、自分以外に理由も求めていた。この期間に色々考えた。そこでこの組織でよく耳にする「自分にベクトルを向ける」、「周りを変えるのではなく、自分を変える」という言葉を実践すべきだと考えるようになった。これまでは、人のせいや自分のせいでなければいいやと思って、やっていた部分があったように感じられる。これこそが成長の妨げとなっていた。このことに気づいてからは、試合で使ってもらえないのなら、使わざるを得ないくらい結果を出そうと自分に目を向けることができた。このような思いで練習に取り組んでいたことで神様がチャンスを下さったと思っている。神様は努力している者にチャンスを与えるとよく言うが、神様が見てくれているというよりはその努力している姿を1番見ているのは他でもない自分自身である。だからこそ、自分に自信が生まれ、結果を出せるようになるのではないかと思っている。そして、リーグ戦や天皇杯、関西選手権など多くの試合に出させてもらった。しかし、求めていた結果を出すことが出来なかった。私が試合に出させてもらうようになってから、失点が増えるたびに「お前が出たら、また失点する」、「また勝てないな」など言われることもあり、もの凄く悔しい上にそれだけ自分の実力がないことに対して、本当に情けなかった。大事な試合で負けたのはすべて私のせいである。リーグ戦も天皇杯も関西選手権も。応援してくれている人達には、本当に申し訳ないと思っている。
神様は乗り越えられない試練は与えない。そのようにして、これまでの結果を通して自分達が強くなるために、成長するためのきっかけを与えてくれている。これらの負けがあったからこそ、日本一になれたと言えるようにやっていかなければならない。これまでのサッカー人生や大学サッカーを振り返ってみても、その9.9割は辛く苦しいことで残りの0.1割で結果が出て喜びや幸せを感じる瞬間だったと感じている。関学サッカー部は日本一を目指している。そのために日本一を目指す過程でそのほとんどがきつく、辛いことであっても日本一を目指す覚悟を持っているだろうか。やり続ける意思を持っているだろうか。これからも自問自答していく必要があるし、部員全員がその覚悟を持つべきであると思っている。
まずは日本一になるためにすべきことをやる。そして、Iリーグ全国で感じた思いをしないでいいように、日本一になった時に私は必ずピッチに立っている。
部員ブログを書く機会を与えていただきありがとうございます。上手くまとまらなかったので、長くなってしまいました。最後まで読んでくださってありがとうございます。
男子チーム 3回生 太田晃輔