2019-11-18
私の夢(上野弘成)
私の夢はプロサッカー選手になることである。両親の影響で5歳からサッカーを始めた私は、幼いながらにその夢を抱いていた。
小学校低学年の頃、サッカーがどんどん上手くなっていくのが楽しくて仕方なかった。芦屋という小さな街だったこともあり、試合に出ると、たいがい点を決めていた。プロには自然になれると思っていた。でも、4年生の時にヴィッセル神戸のスーパークラスに入り、自分より上手い奴がたくさんいる事を知った。6年時には、兵庫県トレセンから落ちた。
中学では西宮SSに入り、3年時のクラブユースでは関西大会に出場した。でも船越大夢、木村勇大、林幹太が所属するヴィッセル神戸U-15に負けるなどして、1分2敗で予選敗退。兵庫県トレセンに選ばれたが、そこでも目立った結果は出せなかった。
高校は兄の後を追い、福知山成美高校に進学した。3年間全国大会を目指してきたが、1番近づいた2年時の選手権では、山田剛綺が所属する京都橘高校に2-5でボコボコにされ、ベスト4で終わった。3年時はキャプテンを務めたにも関わらず、選手権直前に怪我。チーム自体も3回戦敗退。優勝したのは、倉貫直人が率いる東山高校だった。
こんな感じで、私のサッカー人生では目立った結果が出せず、しかも今年推薦組として入部した選手に負け続けてきた。だからそいつらが揃ってこの関学に入学してくると知った時、一緒にサッカーを出来るのが楽しみで仕方なかった。
そしてこの時、私は改めて夢についてちゃんと考えた。今まではなんとなくで、いつか結果を出せば叶うと思っていたけど、気づいたらあと4年しかない。だから今まで以上にがむしゃらに、必死に努力しなければいけないと。
しかし入部して半年が経った今、私は1番下のC2チームで活動している。学生リーグはおろか、Iリーグにも出場していない。入部してすぐにB派遣のチャンスを頂いたけど、怪我でそのチャンスを無駄にした。そこから4ヶ月間、怪我人としての日々が続いた。すごく悔しかった。自分が怪我をしている間に、推薦組や、一緒に入部した一般組の同期がどんどん活躍していく。ピッチで戦う同期を見て、勝ってほしいと思う一方、見れば見るほど「俺は今何をしてるんやろ」と思い、焦り、自分が嫌になる時もあった。
それでも、リハビリ組で一緒に活動する意識の高い先輩たちの姿に感化され、地道にトレーニングを積み、現在復帰している。
そんな私は今、何一つこのチームで結果を残せていない。このチームの中盤の選手は凄い人ばかりで、プロに行くような人もいる。 BやCの中盤の選手も高い技術があり、それぞれが長所を持っている。その中で、今C2の私がこれからAに上がって結果を残し、その先プロサッカー選手になれるなんて誰も思っていないだろう。
それでも夢を叶えたいのは、もちろん私が何よりサッカーが好きなのもあるが、今まで支えてくれた人たちに恩返しをしたいからである。小・中・高のコーチや先生、友達やサッカーを通じてお世話になった人たち。そして何より両親。4人兄弟という中で、一人一人がやりたい事を本当に自由にさせてもらってきた。でも、本当はめちゃくちゃ余裕があるわけじゃないし、実際に両親は共働きをしている。そんな中でも、しんどい顔一つ見せず毎日美味しいご飯を作ってくれる。時間があれば試合を見にきてくれる。私の夢を応援してくれる。そんな両親に最高の恩返しをしたい。
口で言うのは簡単だし、実際に取り組む姿勢、努力、日々の意識が足りていないから私は今C2にいる。まだまだ課題は山のようにある。
それでもこれが、私の夢です。
男子チーム 1回生 上野弘成