2019-12-25
言葉で伝える(沼宮内友輝)
私は言葉にして何かを伝えたり、要求したりする事があまり好きではない。
それは、言葉にして発信することには責任が伴うからだ。頭の中で考えを巡らせる事は自由だと思う。しかし、それを言葉にした時点で相応の行動をとる責任が発生する。しかも言った事をできなかったらかっこ悪い。こんなリスクを回避するため、私はこれまであまり自分の考えを発信してこなかった。
そんな私でも、中学、高校ではキャプテンを務めていた。当時の私がキャプテンとしてやっていたことは、誰よりも頑張るということだ。かっこいい言い方をすると、背中で語るという事を意識していた。しかし、関学サッカー部でこの方法は通用しなかった。自分よりも頑張れる人がたくさんいたからだ。私はこの組織に入り、自分を表現する方法を失った。この状態の私は、組織の中で存在感のないただの部員Aだった。
そんな時、特に大きなきっかけがあったわけではないが、ミーティングで少しだけ勇気を出して自分から発言してみた。すると、その時初めて他の誰でもない「自分」としてこの組織に存在している感覚になれた。周りの人がどう感じたかは分からない。だけど、自分の中には大きな変化があった。それと同時に言葉にして伝えることの大切さに気づく事ができた。
思えば、かっこいいと思った先輩はみんな、何かを言葉にして伝えてくれていた。その上でどんな状況でも必死に頑張る姿を見せてくれた。そんな人に私はなりたい。
話は少し変わるが、3年生は最近の学年ミーティングで来年の事について話し合っている。来年はこんな風になりたいとか、こんな事をしたいみたいなことが学年の中でだいぶ固まった思う。ただ、この学年だけがまとまっても意味がない。部員全員がまとまって初めて大きな力を発揮できると思う。4年生の価値はここで決めたことをどれだけ下級生に伝えられるか、本気にさせられるかで決まる。どうやって伝えるか。やっぱり言葉にして伝えるのが大事だ。言わなくても分かってくれるだろうでは伝わらない。それは何もしてないのと同じだ。だから言葉にして伝えよう。最後の瞬間を最高の形で迎えるために。
男子チーム 3回生 沼宮内友輝