部員ブログ

2015-8-19
その時を迎えるために(小川原 一輝)

勝利の喜び、大切な試合での敗北、挫折、あらゆる感情を幾度もサッカーで味わい、怪我をする度に焦燥に駆られ、思い通りに行かない時は原因から目を背ける。多かれ少なかれ皆が経験してきているだろうが、私のサッカーも苦楽の連続だった。心の弱い私は「いっそ辞めてしまえば楽になる…」と一度も思うことがなかったとは言えない。それでも尚、サッカーを続けてきた今、ここに立たせてもらっている。

15年サッカーを続けて、はっきりと言い切れることが2つある。
「すべての状況に意味が存在する」
「各々課された使命がある」
常套句ではあるが、実感している。そして最後は、巡り巡って色んなことが『腑に落ちる』ようになっているのだろう。

今、私はAチームで試合に出させてもらっている。これまでの自分からは想像すらできなかった現在の環境に、正直戸惑いながらも、やりがい以上の責任を感じている。それを果たすことは当然なのだが、一方で勝負事以外における自分の存在意義は何なのかと考える。それは、はっきり目には見えなくとも、幾つかの課された使命のために立たされているはずだと思っている。
例えば、 推薦組やJの下部組織出身が多くを占める大学サッカーにおいて、そうでない私は、後輩達や、その他大勢の方に希望を与える使命があるのではないか。また、大それた話かもしれないが、15年間育ててもらった兵庫のサッカーに対し、兵庫県の関学サッカーを盛り上げ、サッカーを身近に感じてもらう使命があるのではないかなど…。

ずっと先になるのかもしれないが、その理由が明らかになった時に、今まで支えて下さった周りの方々、出逢えた仲間、そして自分自身が共に『腑に落ちる』ことができるように。その時を迎えるために、真摯にサッカーと向き合う。私がサッカーを続ける理由はそこに尽き、それこそが恩を返すことだと信じている。

2回生  小川原 一輝


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