2015-10-14
素直な心で (藤井 亮太)
サッカーを始めて、今年で16年目。なんとなく始めたサッカーが、いつの間にか私の生活の中心となっていました。物事への関心が希薄な私にとって、夢中になれる数少ないモノの一つがサッカーです。テレビでサッカーが始まれば必ず見るし、本屋で立ち読みするのはいつもサッカー雑誌です。実家に帰れば、部屋にはサッカー選手のポスターが貼ってあって、兄とはいつも公園でボールを蹴ります。
しかし、いつも自分の中心にあるはずのサッカーとの、別れの準備が始まっています。サッカーとの縁はこれからも切れる事はないはずですが、本気でするサッカーとのお別れが近付いているようです。これだけサッカーをしていれば、「もうやり切った!」とすんなり終わりを迎えられると思っていたのですが、別れが迫ると面倒な事に寂しさや切なさを感じてしまいます。
思い返せばこのサッカー人生、自分との戦いが最も過酷であった気がします。特に中学・高校時代は、小さなプライドを捨てきれずに見栄を張り続けたせいで、自分の成長の妨げとなり、サッカーを楽しむことを忘れていました。
そんな私が素直にサッカーを楽しめるようになったのは、関学サッカー部でサッカーという枠を超えて、人としての在り方を学べたことです。サッカーを長年してきたことで、自分の中でサッカーという物差しが大きくなり過ぎてしまい、その物差しでしか人を測ろうとしていませんでした。しかし、関学サッカー部では、サッカーが上手いか下手かの前に、一人の人としての在り方を最も大切にしています。その価値観が私の人との関わり方、人としての在り方を改めさせてくれました。
だから私はこの関学サッカー部で最後まで、いつも通りボールを蹴っていたいです。最後だからと気張らずに、見栄を張らずに、自分らしくサッカーを楽しみ続けます。自分のこれまでの全てをグランドで表現し、みんなで喜びを分かち合うことが出来れば言うことなしです。
そして最後の瞬間は、みんなで笑っていたいものです。
4回生 藤井 亮太