2015-10-21
脱却 (西岡田 渉)
私が今までサッカーを続けてきたのは、サッカーが好きだからだ。当然、今もその気持ちは変わっていない。しかし、これまでのサッカー人生の中で、いつもサッカーが楽しかったわけではない。私は小さい頃から何かとネガティブに考えてしまうところがある。その日の練習で良いプレーができなかったり、試合で結果を残すことができなかったら、一人落ちこんでなかなか気持ちを切り替えられずに、ずっと引きずっていた。いつしか、周りからのアドバイスも心のどこかで素直に受け入れられずに、嫌味のように聞こえていた自分が居た。
大学に入学して、すぐ膝を怪我してしまい、1年以上の長期離脱を経験した。その時のリハビリ生活においても「もう復帰できないかもしれない」とか「何のために大学に来たのか」などマイナスなことばかり考えたこともあった。去年復帰することができても、思うようなプレーができない日々が続いて、正直苦しかったし、サッカーなんかもう辞めたいと思ったことも何度かあった。
でも、関学サッカー部でサッカーを続けていく中で、気持ちの変化があった。日本一を真剣に目指しているこの集団では、簡単に弱音を吐くような選手はいない。毎日の練習で、1つでも上のカテゴリーに上がりたいと思ったり、次の試合にスタメンで出てやるという本気の強い気持ちがぶつかり合っている。そこで自分の変なプライドは通用しないのだと、はっきり気づいた。できないことを素直に認めて努力するしかないのだ。
これまで何不自由なくサッカーが続けてこられたのはやはり両親、仲間のおかげである。この「恩」をただ受けるだけで終わるような人間にはなりたくない。残り約1年となった大学サッカーの中で、少しでも返していけるように持てる力を出し尽くしたいと思う。そして、自分の気持ちだけに左右されるような弱い自分から早く脱却し、もっとチームや周りのことを考えられる人間に成長していきたい。
3回生 西岡田 渉