2015-11-13
ここだからできたこと(鉄田 悠貴)
私は入学してからAチームのすべての試合をスタンドから見てきた。高校3年の2月から大学の練習に参加し、運のいいことにすぐAチームに上げてもらった。その後、少し経ってからBチームに落ちたものの「こんなにすぐAチームに上がれたし、またすぐ戻れるだろう、4回生になるまでにはAチームで試合に出れるだろう」そんな風に思っていた。しかし、関学サッカー部はそんな考えの奴にチャンスが来るほど甘くなく、それ以来一度もAチームに上がっていない。
自分の思いとは裏腹になかなかAチームに上がれない中、他の大学の試合を見たり、他の大学で活躍している同期を見て、自分の力不足にも目を向けられず「俺も関学じゃなかったら試合に出られたのにな」なんてことばかり考えていた。また、学年が上がっていくにつれ、同じカテゴリーからAチームに多くの仲間が上がっていった。そんな仲間を見る度「なんで俺だけ」と思っていた。そして、その悔しさを上手くサッカーで表現できず、手を抜いたり、コーチの指示を無視することで、他の人たちとの違いを出そうとしていた。今考えると子供だったし、本当に多くの人に迷惑をかけてしまった。
しかし、そんな自分に対しても、何度も何度も正面からぶつかってくれた当時コーチをされていた前田さんや、腐りそうになった自分を救ってくれた先輩や同級生のおかげで、人よりすごくたくさんの時間がかかったが、嘘のない自分の弱さに向き合えるようになったと思う。
Iリーグも負けてしまい、私が今からAチームに上がり、インカレに出場するという可能性もほとんどないと思う。けれど私には関学サッカー部にまだまだ返しきれていない多くの借りがある。だから残り2か月、遅い足を思いっきり回転させてグランドを走り回り、大きな頭でチームの事を考え、音痴なことは気にせず喉がちぎれるくらいの大声でグランドの仲間に声援を送り、自分ができる事で恩返ししていきたい。
4回生 鉄田 悠貴