部員ブログ

2016-6-24
サッカーの楽しさ(坂下 泰士)

今年でサッカーを始めて15年になる。
なぜ続けてこられたのか。その答えは「楽しい」この言葉に尽きると思う。

足でボールを扱うから出来ないのは当たり前。でも、それが上手くできた瞬間の喜びが大きくてその虜になった。そんなサッカーの楽しさは他の何事にも代え難くて、ただただ上手くなりたかった。だから何よりもサッカーに賭けて、これまでの人生の多くをサッカーに費やしてきた。
今の自分を見ている人からは想像できないかもしれないけど、小中高はオフを返上して練習するのは当たり前、なんならオフなんていらないと思っていたし、遊びの誘いを断って練習する事だってよくあった。ボールに触らない日は殆ど無かった。それぐらい自分の中でサッカーは大きいもので、誰よりも打ち込んできた自信とある程度の結果もついてきていたことによる自信もあった。

だけど、その自信は大学に入って消えた。
自分よりも圧倒的にうまい選手がいて、その差は全てにおいて歴然だった。自分自身と今まで自分がしてきたことが何だったのか分からなくなった。悪い言い方をすれば諦めてしまったのかもしれない。ただ、サッカーをやめる事は出来なかった。そこまで無力な自分が悔しくて堪らなかった。でも、その悔しさを上手くサッカーで表現できなくて、手を抜いたり、自分の都合良くやりたいようにする事で他の人たちとの違いを出そうとしていた。今思うと、とても恥ずかしく思う。それまでのサッカーの楽しさは”自分本位のもの”でしか無かった。

転機は3回生の春だった。試合で自分勝手な軽いプレーをした。それまでだったら「あいつに何を言っても変わらないから」、となって誰かに何かを言われてきたことは無かった。でもそんな自分に対して初めてぶつかってきた奴が現れた。当時、初めてC1チームを任される事になった坂口だった。ボロクソに言われた悔しさの中に何か嬉しさのようなものがあった。案の定、すぐC2に行くことになったけど、そこでもそんな自分を試合に出させてくれた霧嶋コンダクターがいた。こんな自分に期待してくれる人がいて、そうした人のために頑張ってみようと思った。そしたらプレーもいい方向へ変わっていった。同時に少し考え方も変わっていった。初めて自分以外の人のために頑張ろうと思った経験だった。

今年C1のIリーグでゲームキャプテンを任せてもらった。最初は「俺が?」、と思ったけど任されたならやるしかないと思えるようになった自分がいた。そうしていく中でサッカーの新しい楽しさを知った。うまく言えないけど多分それは「人のため」とか「仲間と信じ合う」とか「全員で苦労して乗り越えていくこと」、その先にある成長とかだと思う。”自分本位”での楽しさではなくなっていた。すごく遠回りしたけど本当に大切な事に気付けたと思うし、遠回りした分、それを噛み締めているし楽しくてたまらない。

しかし、私は自分を大きく変えてくれた関学サッカー部、仲間、サッカーをさせてくれている両親に何も返せていない。そのためには結果だと思う。最後に去年を上回る喜びをチーム全員と味わいたい。今年はAチームが総理大臣杯を逃して、自分が今いるC1チームも崖っぷちな状況。でも、ここから巻き返せたら去年以上の価値と喜びがあると思う。関学ならできると思う。ダメだった自分を変えるほどの人間が集まっているから。私は自分の持てる全てを出してその力になる。これまで支えてくれた人に恩返しをするために。

4回生 坂下 泰士


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