2016-7-6
人は城(福田 風太)
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」
これは甲斐の戦国大名、武田信玄の言葉だ。この言葉は、人の力がないと城があっても役に立たない。信頼できる「人」の集まりは強固な「城」に匹敵する。そして、人は情をかければ味方になる一方で、権力で抑えつけたり不信感を与えると、必ず反発し悪意を抱くようになるという意味である。この信頼関係があったからこそ、武田‘‘家”は戦国最強と謳われた。
この言葉は現在の自分と関学サッカー部に通じるものがあると思う。昨年、関学サッカー部は悲願の全国優勝を果たした。そして今年も全国優勝を成し遂げるために日々活動している。しかし昨年の成績のプレッシャーもあってか、今年は結果を出せない苦しい時期が続いている。そんな中で昨年とは明らかに違う出来事があった。それはAチームのほとんどの選手が、他のカテゴリーの応援に駆けつけた事だ。それも関学で行われる試合だけでなく、他大学で行われる試合にも駆けつけた。全部員がAチームの応援に行くのは当たり前であったが、BやCチームの応援にAチームが来ることはほとんど無かった。上のカテゴリーの選手に応援される事で、チームの士気が上がっているのを私は肌で感じた。そしてそんなAチームを心から応援したいと思えた瞬間だった。
誰かの為に何かをする。それは簡単なようで難しいことだ。だが、今年の関学は全員がカテゴリー関係なく、仲間を思いやることができる。素直に応援することができる。一人ひとりの結びつきが強いからこそ、感情を行動に移せば更に団結できるはずだ。自分がどんな立場であっても個々が自分の役割を本気で果たすことで、関学サッカー部という‘‘家”は更に強くなる。そして昨年をも凌駕する組織になれるはずだ。
私自身も今一度この言葉を心に留めながら、自分がチームに出来る事全てに本気で取り組んでいきたい。
3回生 福田風太