2016-7-15
「俺がやれば」(菅原 翼)
最上級生となって既に半年が経過しました。この半年間だけで、嫌になるくらい自分自身と向き合ってきました。多くのことを考えさせられる日々が増え、何度も悩まされました。その中での一番の気付きは、私はこれまでの人生、「なんだかんだ」で生きてきたということです。
私には、逆境を跳ね除ける力があると思っていました。しかし、私は跳ね除けるのではなく、耐えていただけだと今になって気付きました。中学、高校、大学への進学も特に努力することなく、ある程度レベルの高い学校に決まりました。また、サッカー面でも、中学、高校、大学と全ての年代で日本一を経験しました。課せられた物事にひたすら取り組むことで、結果が出てしまっていたので、自分と向き合うことがありませんでした。このような生き方が、なんだかんだで上手くいった人生を作ってしまったのだと思います。
今まで何も考えずになんとかなってきた人生を歩んできた私は、自分自身と向き合う経験がありませんでした。たとえ向き合う対象が自分になっても、現実から目を背けてしまうこともたくさんありました。しかし、4回生になり、現実から逃げる訳にはいかなくなりました。今は言い訳など一切できない環境にいる影響なのかは分かりませんが、しっかりと自分自身と向き合い、自分の弱さと戦っています。自分が情けなく、腹が立ってしまうことがほとんどです。自分らしさとは、何なのかが分からなくなります。私の憶測ではありますが、そう感じているのは、私だけではないと思います。しかし、ここで何か、自分らしさと言えるものを掴まなければ先が見えないと思います。
私自身、前期を振り返ってみて、シーズン前に思い描いていたシナリオとは掛け離れてしまっていますが、今が転機だと思います。私の中にある、強がっている自分、良いように見せようとしている自分を捨てなければならないのです。最近は、毎日刺激を与え続けてくれる、同期や後輩のおかげで、何か私に付いていた重りが解けた気がします。そして、不器用なりにも一歩踏み出してみると道が開けたりしました。
関学サッカー部は、自分と嫌でも向き合わされる組織だと思います。けれども、それは自分自身を大きく成長させてくれる環境になっているということです。今は、貢献という言葉に支配されがちです。その中で、型にハマったやり方ではなく、部員1人ひとりが自分と向き合い、自分にしかできないやり方を見つけ、それを実行することでチームの目的、目標が達成されると思います。「自分1人が実行しても何も変わらない。」と、思うかもしれませんが、全部員が「俺がやれば」という姿勢を持てば必ず道が開けると思います。
残り半年、誰かの期待を満たす為に頑張るだけではなく、理想の自分をイメージして、毎日を大切にして過ごしていきます。
4回生 菅原 翼