2016-7-22
組織の中で(築坂 裕太)
小学1年生の時にサッカーと出会ってから15年が経とうとしている。どんな時もサッカーが中心にあった私にとって、サッカーとは呼吸するのと同じくらい当たり前のことだった。
でも、同時に人生の中で一番息苦しさを経験させるものでもあったと思う。小中高を通して誇れるような経歴はないし、全てが楽しくないと感じる時期も多かったが、それ以上に大切なことを関学サッカー部は教えてくれた。それは、成長するのに人と人との関係性がいかに重要かということである。
関学サッカー部は本気で勝利を目指す集団だ。もちろんプレーの質に対する要求は高くなる。思い通りにできない不甲斐なさやもどかしさはとても感じるけど、そうやっていろいろな思いがぶつかった末につかんだ勝利こそが本物であり、その瞬間がたまらないからずっと続けているのだろう。まわりが勝利を求めて次々と活躍する中、はじめは自分には何もできていないと突きつけられているようだった。試合に出られず、ピッチ外の狭いスペースで、黙々と練習する自分に誰が目を向けるのか。でも結局は、私自身が一番自分のことを見ていなくて、その場で全力を尽くす意味を見落としていたのだと思う。
その一方で、主務やコンダクターをはじめとして、サッカー部により貢献するために重い決断をする人、覚悟を決める人たちがたくさんいて、そんな集団の中で自分はどのようにチームに貢献すべきかということについて本当に悩んだ。
ひとつ解ったのはどんな立場であっても、まずそこでがむしゃらにやるしかないということである。それは決して置かれた状況にただ甘んじるというわけではない。チームにおいて自分はどういう立ち位置にいて、そこからどんな影響を与えられるかをひたすら考え、行動に変えることだ。
そのためにはまず、自分の弱さと向き合う必要がある。私は、ずば抜けたサッカーセンスや思いを伝える器用さは持っていない。だったらC2の4回生という立場としてできるのは、ピッチ内でも外でも、誰かに見られていてもいなくても、目の前のことに一番高いモチベーションで取り組むことだと思う。そして、そこから勢いのあるカテゴリーに押し上げていくこと。それが今自分の果たすべき役割だ。
やはりどこかで折り合いをつけて、できていないところをしっかり受け止めた時にやるべきことが見えてくるのだ。ピッチの中でそれぞれのポジションでプレーするのと同じように、全員が自信を持って、今いる場所から最大の力を発揮できれば、必ず結果はついてくるはずだ。チームのために力を使いたいと純粋に思わせてくれる人達、そして環境が関学にはある。そういう組織が一番強いんだということを証明しなければならない。
だからこそ、日本一という結果を追い求める。前期が終わって、自分はどこまでできているか。まだまだやれることは多いけど、無限に時間があるわけではない。残り少ない中で、目の前の目標に精一杯の力と思いを尽くす。それが今まで支えてくれた家族、仲間への恩返しだと思うから。
4回生 築坂 裕太