2016-8-24
自分の役割 (好光智)
小学生の頃、親に勧められて始めたサッカーは、次第に生活の中心となりました。中学、高校と決して強豪とは言えないチームでしたが、ある程度は中心選手としてプレーし、サッカーをすることが何より楽しい時間でした。進路を決める際には、より高いレベルでサッカーをしたいという思いがあったので、関学サッカー部に入部しました。
しかし、入部してすぐに周りとのレベルの差を実感しました。自分のプレーが何も通用せず、本当に悔しかったのを今でも覚えています。それでも我慢して練習を続け、やっと自分の良さが出せるようになってきた頃に怪我をしてしまい、しばらくの間サッカーができなくなってしまいました。この時ほどサッカーをしたいと思ったことはありませんでした。その一方で、自分は本当にサッカーでチームに貢献することができるのかと疑問に感じていました。
そんな時、サッカー部から関西学生サッカー連盟(学連)に、幹事として部員を派遣しなければならないという話が出され、私はその話に興味を持ちました。同期、先輩、恩師など様々な人に相談し、私はプレイヤーを辞め、学連で活動することに決めました。
私は大学4年間で、ただサッカー部に所属し、集団に埋もれることだけはしたくありませんでした。このような選択をしたのは1回生の頃で、そんな決断をするのは早すぎると考える人も多いと思います。けれど私は、実際にチームに貢献できるかどうかわからないことを続けるより、確実に貢献できることをする方が、価値のあることだと考えたので、学連の幹事を務めることを決心しました。
このような考え方をするようになったのも関学サッカー部のお陰です。サッカー部には選手を辞め、主務やコンダクターとしてチームに貢献することを決断した人や、マネージャーがいます。一般の人々からスポットを当てられるのはプレイヤーであり、それは当たり前のことです。けれど私はチームのために自ら行動し続ける主務やコンダクター、マネージャーの姿も選手同様に輝いて見えました。
そんな姿を見ていく中で、自分もチームのために活動したいとより強く思うようになりました。だからこそ、大好きだったサッカーを辞める決断もできました。そして、自分の役割は何があっても逃げずにやり遂げようと誓いました。
その役割とは学連の仕事を全うすること、学連と関学サッカー部を繋ぐことです。
自分が学連の仕事を遂行し、選手が今まで以上の力が出せるような環境作りをすることで、関西サッカーを盛り上げ、全国の大学サッカー、そして日本サッカー全体を盛り上げることができます。そしてその仕事をやりぬくことは最終的に、日本サッカーのレベルの向上にも繋がると考えています。あまりにも大きな目標かもしれませんが、その目標を達成するためにも役割を全うしたいです。
また、関学サッカー部と学連を繋ぐ役割は幹事である私と栗山さんにしかできません。栗山さんは今年で卒業してしまいますが、栗山さんが卒業した後も、自分が責任を持ってこの役割を果たせるようにしていきます。この責任はサッカーをプレーするのと同等か、それ以上の大きなものだと思っています。けれど自分の負う責任が大きいほど、やりがいや自覚も生まれてきます。
実際に学連の仕事をするようになって7ヶ月が経とうとしています。まだまだ会場での準備のこと、備品の場所など覚えることは数多くあり、慣れないパソコン操作やコピー機と日々格闘しています。しかし、学連での活動は大変なことだけではなく、得るものもたくさんあります。
その一つとして何事も様々な人に支えられているということを身を持って感じられることです。サッカーを一試合するのにも会場の確保、コートや電光掲示板の用意、審判とドクターの手配、チケットの販売、そして試合の運営、記録の管理など、多くの準備があって公式戦は成り立っています。
自分が運営の立場となってみると色々なところに配慮がなされていたり、ルール一つ一つに理由があったりと、1回生の頃とは物事の見方がガラリと変わり、自分の世界が広がりました。常に多くの人に支えられているということを、知る人と知らない人では、何か大きな差が出てくると思います。それをこの時期に身を持って経験できているのは本当にありがたいことです。
まだまだ慣れないことだらけで、実際にチームや学連に貢献できているかどうかはわかりません。けれど自分の役割を何があってもやり遂げ、どんなことにも向き合っていきます。
2回生 好光智