部員ブログ

2016-9-14
気持ちを一つに(日内地 亮)

高校最後の試合となった、選手権3回戦・滝川第二高校との試合が終わったとき、僕は第4フィールドのピッチ横に座って、応援していた。
同期の坂下、下笠、原田が活躍しているのを目の当たりにしながら、自分の無力さを痛感し、関学高等部サッカー部引退を迎えた。

僕は、高校生活で一度も公式戦のピッチに立てなかった。
足首を骨折したり、膝を怪我したり、前歯を折ったりと、多くの大怪我を経験した。
なぜこんなにも怪我をしないといけないのかと何度も思った。
最後の大会くらい、少しだけでもチームの力になりたいという思いが強かった。それにもかかわらず、それができない自分の無力さに対して、悔しさしかなかった。

関学高等部のサッカー部と言えども関西学院大学サッカー部に入部する人はごくわずかである。
大学で過ごす4年間の時間の使い方は人それぞれだ。
僕が大学サッカーを選んだのは、自分の可能性を捨てたくなかったからである。

高校で一度も公式戦に出られていないという過去は消し去れない。
その中で、大学サッカー部でサッカーをするという選択をしなかった高校の仲間に、「俺は、体育会でもプレーできるんだぞ。」というところを見せつけたかった。
自分の可能性を自ら消すのではなく、チャレンジしていく。
高校生活ではチームに何もできなかったからこそ、この想いは強かった。

しかし、大学でサッカー部に所属しているのは、自分より遙かに能力の高い選手ばかりだった。
最初は、何もかもが上手くいかないサッカー生活。何の楽しみも生み出せず、周りで違うことにチャレンジしている高校時代の仲間が羨ましかった。
その中でも、逃げずに自分と向き合い、サッカーをすること、がむしゃらに戦うこと。当たり前のことをしっかりすることで自分の価値を生み出していこうと思った。
このことを意識する中で、段々と自分に自信が持て、自己主張できるようになった。
このサッカー部という大所帯の集団の中で、自分の諦めない姿勢を評価してくれる仲間がいてくれて、自分の存在価値を少しでも見出せるようになった。

そして、目的・目標に対し、切磋琢磨していく最高の仲間達を手に入れた。
大学でサッカーを続けていなければ、このような出会いはなかっただろうし、辞めていればこの仲間は失うことになっただろう。
本当に大学サッカーを選択してよかったと改めて思う。

そして、今まで続けてきた学生サッカーもいよいよ最終章の幕が開けた。
前期の関学は昨年とは違い、結果がついてこなかった。
僕はAチームが公式戦で負けると自分が出ていたかのように悔しかった。
「勝ちたい。」ただ、その気持ちしかなかった。

そして、自分が「勝ちたい」と思うがゆえに、あることが大切だと気づいた。
それは、「勝ちたい気持ちを一つにまとめること」だ。
前期は、チームが苦しくなったとき、全体的に諦めてしまう雰囲気が漂っているのを感じた。
「勝ちたい」という気持ちが一つにまとまっていなかったことが、原因だと思う。
「勝ちたい」という想いを持つことは、ピッチに立つ、立たないは関係ない。ピッチに立っている11人が気持ちを一つにすること。そして、ピッチ外の選手達が「勝ちたい」という気持ちを切らさずに持ち、自分のやるべきことを行うこと。
部員の誰ひとり、この想いが欠けてはならないのだ。

綺麗ごとで簡単そうに見えるが、この行動こそが一番難しい。
チームが苦しいとき、自分が苦しいときに逃げ出すのか、それともしっかりと向き合いチームの力になり、共に乗り越えていくのか。
僕は乗り越えることができると信じている。だからこそ、気持ちを一つにし、乗り越えていこう。

僕は、4回生として、まず自分自身が苦しい状況から逃げない。
その姿を見せ、後輩達を巻き込み、チームとしての一体感を作り、後輩へ何かを残していく。
それが、自分が関学サッカー部に所属する使命だと思っている。
そして、必ず自分達の代で、もう一度日本一になって、みんなで喜びを共に味わいたい。

4回生 日内地 亮


Copyright(c) 関西学院大学体育会サッカー部 All Rights Reserved.