2016-11-22
日本一(宅野海里)
高校時代から日本一という目標を持ちサッカーをしてきた(小、中学時代はそんなレベルではなかった)。本気で日本一になりたい、そして、なってやるという気持ちでいた。そういう気持ちを込めて試合に臨んできたつもりだし、それだけの練習もしたと思っていた。
しかし、関学サッカー部に入部してすぐに「ああ、これが本気で日本一を目指す集団なのか」と気付かされた。私の入部した集団は、これまで私が抱いていた本気で日本一になりたいという気持ちが霞んで見えるほど、そもそもこれまでの私の思う本気は本気ではなかったと感じるほど、本気で日本一を目指していた。
気付けば、関学サッカー部に入部して8ヶ月が過ぎた。振り返るとあっという間の8ヶ月だった。私は、入部前に3つの目標を立てた。Aチームに上がる、Aチームの試合に出場する、日本一になった瞬間をピッチで迎える。この3つである。しかし、これまでの大学サッカー生活の中で、私が達成できたものは一つもない。
現在私はBチームに所属している。最初は悔しい気持ちしかなかった。周りを見渡せば、一回生ながらAチームでプレーしている人もいる。高校時代のチームメイトはプロ選手として活躍していたり、関西学生リーグでデビューを果たしている。そんな中、自分は何をしているんだろう、Bチームにいる場合じゃない、と焦るばかりで何も良いことはなかった。そんな中、ある4回生の言葉が私の中のモヤモヤを掻き消してくれた。「焦らずまずはIリーグで結果を出していけば大丈夫やって」。そうだ、BチームにはIリーグという公式戦がある。そして関西で2チームが全国大会に出場出来る。私はBチームで関西制覇、日本一になろうと決めた。
後期リーグを全勝で終え、Iリーグ決勝トーナメントも決勝まで駒を進めた。この時点で全国大会出場を決め、あとは目標である関西制覇をするだけだった。そこに至るまでの道のりは、苦しいこと、辛いことが多かったが、だからこそ、自分たちが一番困難を乗り越えてきた自信があった。負ける気がしなかった。しかし私達は敗れた。準優勝で全国に乗り込むこととなる。私はまたしても目標を達成出来なかった。
幸運なことにまだ日本一になるチャンスがある。Bチームにいる4回生にとっては日本一になる最後のチャンスだ。負けたらそこで引退となるかもしれない。今までどんなに苦しくても、言葉で、プレーで、マネージャーとしてBチームを支えてくれた4回生を悔し涙で終わらせるわけにはいかない。どうせ流す涙なら嬉し涙を流してほしい。最後くらい4回生、そしてBチームの力になりたい。自分の体がどうなろうと優勝して喜ぶ4回生の姿が見たい。本気でそう思えるチームだ。本気でそう思える4回生だ。私自身の目標も今回こそ達成させる。
今年関学は未だ無冠だ。無冠で終わっていいはずがない。残っているのは、Iリーグ全国大会、インカレのみとなった。Bチームを引っ張ってくれた4回生の為に日本一になる。そして、Aチームのインカレ優勝の為の起爆剤になってやろう。
最後に笑うのは関学だ。
1回生 宅野海里