2017-3-15
本気(宮田 夏実)
関学サッカー部に入ったのはいくつか理由がある。
もともと、高校がランバス姉妹校だったこともあり、関学サッカー部は、在学中から常に憧れのチームだった。
今思えば、学生が主体性を持って、部員みんなで作り出す一体感あふれる雰囲気に自然と惹かれたのだと思う。
「大学でもサッカーをするなら関学サッカー部に入るんだ!」と当たり前のように思っていた。
もちろんこの甘い考えは、入部してすぐ打ち砕かれた。
練習試合から何から何まで、部に関する活動は、学生が主体となって、動いていることにとても驚いた。また、それぞれのカテゴリーで与えられた役割、立場でチームに貢献しようとしている、本気で日本一を目指す、本気の中の本気の集団だと感じた。
入部して、ほぼ1年が経った今、私は、本気になれてるか。いや、まだまだ本気になりきれていない。もっともっと本気にならなければならない。
去年の4回生の先輩方の引退試合で一人一人がチームのため、特に4回生のために走っている姿を外から見て、とても感動した。こんなにも胸が熱くなって、しびれた試合は初めてだった。
じゃあ、自分はどうだろう。全く試合にも出れず、4回生の引退試合にベンチすら入れなかった。まだまだ本気になれていない、サッカー部の一員になりきれていない自分がいて、とても悔しくて、情けなかった。このままじゃいけない。本気で自分を変えないといけない。幸いなことに自分を変えられるチャンス、環境が関学サッカー部にはある。あの感動をもう一度ピッチの上で味わってみたい。
難聴である私を受け入れてくれる最高の仲間がいること
素晴らしい集団の中で毎日、本気でサッカーに取り組める環境があること
たくさんの応援して下さる方々がいること
その全てのことに感謝です。
ところでみなさんは「デフリンピック」をご存知だろうか?
オリンピック、パラリンピック、スペシャルオリンピックスがあるように、もう一つのオリンピック、聴覚障がい者のための、聴覚障がい者による「デフリンピック」がある。この「デフリンピック」の知名度は非常に低く、ほとんど知られていない。
日本国内におけるパラリンピックの知名度94%に対し、デフリンピックの知名度は2.8%というデータも出ている。
今年の7月にトルコで第23回夏季デフリンピックが開かれる。デフサッカー(ろう者サッカー)女子は、諸事情により出場出来なくなった。
私は、デフサッカーもしているがそのデフサッカーの競技人口も少なく、レベルもまだまだ低い。デフサッカー、デフリンピックの知名度を上げるためにも関学サッカー部で自分のレベルを上げることがデフサッカーのレベルアップにもつながると信じている。
デフサッカー、デフリンピックを通して一人でもより多くの人達に聴覚障がいのことを知ってもらいたい。
これが関学サッカー部に入ったもう一つの理由である。
たとえ聴覚障がいを持っていたとして、周りに影響や勇気を与えられる人になりたい。
新2回生 宮田夏実