2017-3-22
ありがとう(長澤 幸大)
「ありがとう。」この言葉に重みを感じる。
大学サッカーをやるために人生の全てをかけて浪人し、受験勉強を必死に頑張り、やっとの思いでサッカーをやる環境に巡り会うことができた。私の想いを汲み取っていつも側で応援し続けてくれたのは家族であり、家族の存在がなければ今の自分はないと思う。
ありがとう。17年間ボールを蹴ることが中心の生活で、サッカーを通じて友達を作り、考える力が付き、自分と向き合えるようになった。サッカーの魅力に圧倒される日々だった。
しかし、関学サッカー部に入部してみると自分の主張をうまく相手に伝えられる選手、ストイックに自らのレベルアップに努める選手、オンとオフのメリハリが凄い選手など自分に足りないものを持ってる仲間と出逢えた。
そして入部して2年が経ち、後に私のサッカー生活の転機とも言えたコンダクター(学生コーチ)を選出する時期を迎えた。
(関学サッカー部では、3回生になる時期にミーティングを行い、コンダクターを決定する。選手を辞め、学生として選手を指揮する役割を担う役職をコンダクターと呼びます。)
本当の意味で初めて心の底から自分と向き合う機会を得た。今までの私は自分を良く見せようとし、偽ることで弱い自分と向き合うことを避けていた。しかし、そんな自分を変えてくれる最高の仲間に出逢うことができた。私の魅力に気付きその魅力を引き出そうと、面と向かって本音で話してくれた仲間がいた。自分を偽っていたことに情けなさを感じ、私はその時変わらなければならないと強く思い、何日も悩み続けた。正直、浪人生活よりも辛い日々だった。
悩み続けた結果、私は自分を偽ることをやめて、周りの目を気にせず自分に自信を持てる人間になりたいと思った。その想いが私が考えるコンダクターの像とズレることなく重なり、残りの大学サッカー生活をコンダクターとして全力で取り組みたいと決断した。
私はかけがえのない唯一無二の仲間を持つことができたと心から感じた。私がどんな人間か分かっていて多くを語らず涙を流して気持ちを伝えてくれた人、嫌われることを恐れず本音をぶつけてくれた人、そしてコンダクターになることを受け入れ、本気で私と向き合ってくれた38人にお礼を言わせてほしい。
ありがとう。
部員全員の想いを背負って前に立つ。コンダクターとして選手に一隅を照らす人であり続けたい。私は2年後になりたい自分の理想像に近づくと共に、関学サッカー部のために全てを捧げたい。「ありがとう」を体現していきたい。私は日本一になることが「ありがとう」の体現であると思う。
最後は互いに笑顔で「ありがとう」を言い合えるようになりたい。
3回生 長澤 幸大