2017-5-10
いま、ここ (竹本 将太)
過去を振り返ると多くの挫折を思い出す。小学校のチームでは全国大会出場を目指したが、準決勝で敗れて、それは叶わなかった。中学時代は横浜市大会でさえも勝ち上がることはできなかった。高校時代は無名校だが、全国大会出場に向けて本気で取り組んだ。しかし、総体予選も選手権予選もあと1勝で全国というところで敗れてしまった。あの時こうしていれば…と何度も後悔した。
同時にいつも未来への漠然とした不安があった。高校に入ったらすぐに試合に出られるだろうか。チームの掲げる県制覇を成し遂げられるだろうか。大学では本当にやっていけるのだろうか。関学は強豪で、なにひとつ実績のない私では一度も試合に出ることなく終わるのではないか。どのカテゴリーでもスタメン争いは熾烈を極め、Aチームに上がる事は到底叶わないかのようにも思えた。
遠い過去や未来のことでなくても、前の試合でなぜあのようなミスをしてしまったのか。次の試合では無失点で勝てるだろうか。日々様々なプレッシャーに押し潰されそうになりながら過ごしていた。
そんな不安を常に抱えていた私だったが、「嫌われる勇気」という本の一節を読んで考え方が一転した。
『人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。』
当たり前のことに気づかされた。ごちゃごちゃ考える前にとにかく目の前のことに真剣に取り組む。毎日の練習、その中のワンプレー、筋トレや食生活、睡眠に至っても、全てにおいてその時の最善を尽くす。
先日、Aチームへの昇格が決まった。与えられたチャンスにワクワクする気持ちもあり、早く関西学生サッカーリーグのピッチに立ちたいという焦りのようなものもある。だが、迷う必要はない。私のやるべきことは、「いま、ここ」に全力を尽くすこと。この瞬間を全力で生きること。それだけだ。
2回生 竹本 将太