2015-4-4
信じられるもの(黒川瑞穂)
小学生から大学生まで、唯一続いているもの、それがサッカーです。人生のほとんどの時間をサッカーに打ち込み、サッカーを楽しむことが生活の中心でした。当然いろいろなタイミングでサッカーを辞めることもできました。中学生になるとき、高校に入学するとき、大学生になり親元を離れるとき、 、、、しかし必然であるかのようにサッカーをすることを選び、ボールを蹴っていることが当たり前でした。サッカーをするためにいろいろなことを犠牲にし、サッカーを自ら辞めることなど考えたこともありませんでした。
しかし今年サッカーを辞めました。
ほとんどの同期部員がラスト一年サッカーをやり切ろうと決めたとき、一年早くサッカーを辞めました。
怪我で選手として辞めなければならなかったわけでもなく、誰かに辞めさせられたわけでもなく、もちろんサッカーが嫌いになったわけでもありません。
選手ではなくスタッフとして、プレーヤーを辞め、主務になることを決意しました。
そう決意した理由は一つです。
関西学院大学体育会サッカー部がなによりも好きであるということです。
今まで自分が生きてきた中で一番尊敬できる集団だったから、胸を張れる集団だったからです。それは別にスポーツとしての結果といった表立ったことよりも部員、スタッフに対してです。サッカー部の目的、目標のために必死になっている人たちがいます。口先だけではなく、自らの役職に責任を持ち、必ず日本一を体現しようとする部員がいます。僕は彼らのことを本気で信じることができました。
それなら、その舞台を準備しよう。日本一を獲得するための練習環境、組織作りをしよう。そう思えました。自分がサッカーを辞めることなど、みんなと目標を追い続けられるのであればなんの犠牲でもないと思えました。
僕が主務になったことでチームの目標に近づけるかは分かりません。ほんとうは違う人が主務をした方が良かったのかもしれない。僕より頭のキレる部員はいくらでもいます。
でも主務になりたいと思った。部員を思う気持ちがあれば能力なんて関係ないと思った。一部員としてではなく、もっと密接にサッカー部の目標に関わっていきたかった。それは本当に信じられる部員がいたから。だから僕はサッカーを辞める決断が出来ました。
関西学院大学体育会サッカー部は僕をここまで思わせてくれました。
そんなサッカー部の目標は日本一です。日本一になって称賛を浴びたいとか、友達に褒められたいとか、そんな甘いものじゃありません。全部員の自信に繋がる一年にしたい、関西学院大学体育会サッカー部の部員全員が日本一の集団に相応しいことを証明したい。ただそれだけです。
関学サッカー部に関わるすべての人たちを幸せにし、サッカー部としての目的、目標を達成するために、今年の一年の全てを捧げたいと思います。
4回生 黒川 瑞穂