2017-6-28
再起 (曽木 友樹)
私はいま、サッカーをすることができている。
高校入学後すぐに私は怪我をしてしまい、プレー出来なくなってしまった。今まで大怪我をしたことがなかった私にとって、とても辛い経験だった。高校の時に負った怪我が完治しないまま、再起を誓い、関学へ進むことを決めた。
入部前の関学サッカー部は四冠を成し遂げ「四冠の関学」と言われていた。私が関学へ入学する決め手となったのは2015年シーズンのインカレ流通経済大との試合を観戦したことだ。関学は先制を許すも、そこから2点を奪い、2-1の逆転勝利をした試合だった。その試合では失点しても負けないというピッチの中で戦う選手たちから感じる落ち着き。そして、必ず勝つと信じるスタンドの仲間からも同じように余裕が感じられた。
初めてみる大学生の試合で、関学の部員全員から出る一体感に魅了された私は、ここでサッカーがしたい、この舞台に立ちたいという感情を抱いた。
そして、その時まだ怪我は完治していなかったが、時間をかけてでも必ず怪我を治し、関学の一員としてピッチで戦うという強い目標ができ、進学することを決めた。
私がサッカー部へ入部して昨年8月頃、怪我は完治した。3年2ヶ月の長いリハビリを終え、いま私が復帰してから10ヶ月の月日が経った。私は現在Bチームに所属しており、入学以前に誓った、「あの舞台に立つ」という目標は達成できていない。目標というものは見失いやすく、時が経つとその当時の感情の高まりを忘れてしまう。
復帰してからの私は、サッカーができているということだけで満足していたが、Aチームの試合を応援する度に、「あの舞台に立つ」という当時立てた目標に対する思いが更に強くなった。そのとき、私は目標に対して、今の自分はどこにいるのかと自問自答した。
すると目標に向かってなにもしていない日常をただ過ごしていることに気づいた。
それから私は毎日、自分自身を見つめ直すことを始めた。今までの自分は苦手なことを隠して、好きなことだけを一生懸命にやっていた。しかし、関学サッカー部の選手は自分たちの弱さと真っ向から向き合うことで逆境を跳ね除けていた。自分の弱さを認め、その弱さと向き合う強さの両方を知っているからこそ、どんな状況下に置かれても動じない。
私はこの強さを手に入れるために関学に入ったのだと思った。
関学は前期リーグを終え、現在4位と良い結果とは言い難いが、私たちは慌てない。必ず逆転してみせる。あの時と変わらない落ち着きを今年も持っている。
いま私はチームの一員として共に戦っている。
残り11節、本当の強さを手に入れ、勝利に貢献したいと思う。今はスタンドだが、あの時立てた目標を叶え、ピッチで勝利に貢献する。目標はぶれない。
私はいま、関学でサッカーをすることができている。
2回生 曽木 友樹