2017-8-23
「当たり前」(松井 竜治)
「そんなのできて当たり前だ。」、「勝って当たり前だ。」、私はサッカー人生においてこのような言葉を幾度となく指導者に言われた経験がある。大学サッカーをするなかでその「当たり前」を耳にした時、私はその言葉について深く考えた。
私が関学サッカー部に入部した一年目、関西選手権優勝・インカレ準優勝を成し遂げた。また二年目には、関西リーグ・関西選手権・総理大臣杯・インカレを獲り、4冠を達成した。トップチーム以外のIリーグや練習試合の結果を思い返しても、ほとんどが勝利した試合ばかりだった。その2年間の光景が今でも脳裏に強く残っている。そのためか私は、関学サッカー部は関西で1、2位を争うことは当たり前で、日本一になっても驚かれないほどのチームだと思っていた。だから、練習試合だろうが関西勢相手に勝つことなんて当然とすら考えていた。
しかし、一昨年の4冠の重圧からか、昨年のチームは無冠に終わった。その時、私は勝つことが当たり前ではなく、どれほど難しいことなのかを痛感した。そして今年は現在、前期リーグ4位・関西選手権準優勝。これから総理大臣杯や後期リーグが続くが、まだ私たちが掲げた目標は一つも達成できていない。また、Aチーム以外のカテゴリーを見てみると、Iリーグや練習試合で負けが続くチームさえある。その影響からか、正直、年々私の中のサッカーに対する「当たり前」のレベルが下がってきていると感じている。
今の関学サッカー部の「当たり前」とはなんだろうか。今のリーグの順位や関西選手権は周囲から当然の結果と思われているのだろうか。私は今の結果は関学サッカー部の「当たり前」ではないと断言する。なぜなら私は、関西や全国問わず常に優勝争いをすることが、関西学院大学サッカー部の当たり前だと考えているからだ。これからそのようなチームになっていくためにはどのようにしていくべきなのか。
それは、170人を超える部員一人ひとりの「当たり前のレベル」を上げる必要があると考えている。サッカー面もしかり、それ以外の面もだ。今まで互角の相手に勝つことが当たり前になれば、チームとして強くなる。FWが点を取ること、DFが絶対に対人で負けないことが当たり前になれば、チームが勝つことが当たり前になっていく。個人がプレー以外でもチームに貢献しようと行動すれば、応援する・されることが当たり前になり、高いチーム力が備わったチームになっていく。このように、各個人の当たり前のレベルを上げることで、チームは足し算ではなく掛け算したかのように、ますますよくなっていくと思う。
今年のチームには「一体感」という武器がある。部員1人ひとりの「当たり前」のレベルが上がれば関学サッカー部という集団はどうなるだろうか。私自身、想像するだけでワクワクする。観に来てくれた人に絶対に感動を与えることができる。簡単に言っているが、とても難しいことであるのは間違いない。だが、私を含め部員1人ひとりが今「当たり前だ」と思っていることを、もう一段階発展させられれば、それは実現できると思う。
今年は私にとって最後の学生サッカーの年だ。これからこの想いを発信し、「悔いはない。」と言い切れる年にする。
4回生 松井 竜治