部員ブログ

2017-10-12
夢はグラウンドに落ちている (寺尾 洋)

米国の女性作家であるエラ・ウィーラー・ウィルコックスさんは、このような言葉を残しています。
「この世には2種類の人間がいる。努力する人と人の努力に頼る人。」
 私のサッカー人生を振り返ると、人の努力に頼り続けてきたことが多いと感じました。
大阪、関西、全国それぞれ優勝したときを思い出すと、私のゴール、アシストで成し遂げたものではありませんでした。常に私の周りにいる「誰か」がチームを勝利に導き、私はただその「誰か」に着いて行くだけでした。
 
そんな私が変わろうと決意したキッカケは2年前、関学サッカー部が4冠を達成した時にプレーしていた呉屋大翔さん(現ガンバ大阪)、小林成豪さん(現ヴィッセル神戸)、井筒陸也さん(現徳島ヴォルティス)の存在でした。
 「俺が」勝利に導くという姿勢を目の前で見て、これまでにない刺激を受けました。
 それから私は、偉大な先輩と同じ決意を持ち行動する為に副将を務めることになりました。また、ポジションもミッドフィルダーからフォワードに転向して、より多くのゴールを取ることで、チームに貢献する手段を選びました。
 フォワードでプレーしていて、私が最も大切にしていることがあります。
それは、「あと1歩」の重みです。
 
・あと1歩の距離さえ枠から外れなければ、ゴールになっていた。
・あと1歩のポジショニングが違えば、足がボールに届いてゴールになっていた。
 
サッカーだけでなく、他のスポーツでも「あと1歩」の重みを感じるシーンはあるのではないでしょうか。
 例えば、2008年北京オリンピックの競泳では、金メダルを獲得したマイケル・フェルプス選手と、銀メダルを獲得したミロラド・チャビッチ選手のタイムの差は、50.58秒と50.59秒でその差「0.02%」です。その他の陸上競技においても1位と4位の差は、ほぼ1%の差というデータがあります。
「日本からイギリスに行く」という目標を持って旅をするとします。その際、平均して1%進路からそれると、左に1%逸れたならアイルランド、右に1%逸れたならフランスに到着してしまうという話があります。
 これらから私は
 
・たった1%で自分の目標、人生が大きく変わってしまうんだ。
・その1%が自分にとって何を意味するのか。
 
を学び、深く考えて行動すべきであると感じました。
サッカーに置き換えると、その「たった1%」を改善できる行動は何かと考えました。それは、食生活、早寝早起き、身体のケア、自主練習の質などでした。
 私が練習終わりにプロテインを飲んでいたり、昼飯でささみ定食を食べていたりすると、「いつも意識が高いですねぇ~。」と部員にからかわれます。ただ、1年後の自分の身体を作っているのは、今日食べるご飯の積み重ねなどです。そうした様々な細かい1%の改善、積み重ねがサッカーの勝利、ゴールに繋がると信じてこれからもこだわりたいです。
 
 いよいよ、関西王者、全国への切符を懸けたIリーグの決勝トーナメントが始まります。
この日を迎える為に、2017年が始まった1月から日々の練習に全力を尽くし、試合で勝利を積み重ねてきました。また、全国制覇する為に、これからも勝利し続けます。
 
 4回生、これからの時期が最も俺らの力の見せ所です。
 3回生、いつも一番近くで支えてくれて、本当に力になっています。
 2回生、いつもグラウンドに残り練習をする、トレセンで鍛えるなどサッカーの努力をしている人が多くて、もっと頑張らないといけないと刺激を受けています。
 1回生、4回生の掲げた目的を言葉に出し、行動に移し、100%を出し切る姿勢は本当に頼りになっています。
 
 生きていくことの絶対条件がサッカーではないと思います。それでも、サッカーを続けてきた理由は、最高な仲間に出会い、その仲間と最高の瞬間を味わい、多くの人を巻き込んで喜び、感動する「魅力」、「チャンス」がサッカーにはあるからです。
 何十年間の「青春」を注ぎ込まないとこんな経験は絶対に出来ません。今後の人生、社会に出たとしても、サッカーでゴールして勝利し、皆で喜び合うこと以上に楽しいことはないのかもしれません。
 だからこそ、勝利という結果で証明していきたいです。
試合を決めるゴールは「誰か」ではなく「俺が」決めます!!!

男子チーム4回生 寺尾 洋


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