2017-11-26
封印されし者の左足 (星野 遼河)
正直言って、日常生活において左利きというのは色々と大変である。ICOCAはタッチしづらいし、バッティングセンターでは打席にすら立たせてもらえない時もある。だが、サッカーをする時だけは違った。みんなと違うことが有利にはたらいた。ここまでサッカーを続けてくることが出来たのも、そのお陰であると強く思う。左利きに生んでくれた両親には感謝している。
自分の1番の武器は何かと聞かれたら、私は迷うことなく「左足」と答える。チームメイトである上尾のプレースキックや、中野のドリブル、中井や中大路の強烈なシュートには本当に目を見張るものがある。しかし、そのような選手たちを常に間近で見てもなお、自分の左足だけはどこでサッカーをしても通用する自信がある。幼稚園の頃から、父と練習したインフロントキックでCKを直接決めていたし、小学校の頃は右サイドからカットインしてシュートを打てばほぼ決まった。中学生の頃はアップでラボーナキックをクロスバーに当てていた。今でも、気がつけば左足の前にボールがある。18年間という長い年月、いわば今までの人生を懸けて磨きをかけ続けてきた。
しかし、本気でするサッカーで、その左足を活用するのは残り僅かとなってしまった。サッカーから離れる覚悟は9割出来ているが、左足を今後活かせないことだけは本当に寂しい。そして、今後劣化してしまうことを考えると辞めたくないと思うこともある。だからこそ左足を存分に活かし、今年の目的でもある「観る人に感動を与える」プレーを魅せたい。関学を勝たせたい。
遊戯王デュエルモンスターズオフィシャルカードゲームで有名なカード「封印されしエクゾディア」のように、左足が封印される日も迫ってきた。もちろん、右足にも頑張ってもらうが(主に軸足として)最後は己の左足でIリーグのタイトルを獲る。
男子チーム 4回生 星野 遼河