部員ブログ

2016-11-21
「4回生のために」(宇都木 峻)

私は今まで、誰かのためにサッカーをしようと思ったことはなかった。常に自分の成長のため、自分が評価してもらうためだけにサッカーをしてきた。しかし今は違う。誰かのためにサッカーをしている。その誰かとは、4回生である。

Iリーグ年間総合優勝チーム決定戦準々決勝の立命館大戦、前半に先制しリードしていたが、後半開始早々、私が自陣でボールを奪われ失点してしまった。そして同点のままスコアは動かず、延長戦に突入した。PK戦になるかと思われた試合終了間際、コーナーキックから得点が生まれた。そのゴールを決めたのは、4回生の中西さんだった。

その姿はとても頼もしく見えた。これが、4回生の本当の姿なのだなと思った。その試合後の締めの挨拶のとき、この試合で何もできなかったと涙を流す4回生の小野さんを見た。4回生の覚悟というものを感じた。私はまだ2回生とは言え、それほどの覚悟を持ってサッカーをやれていなかったことに気付き、とても情けなかったし、なにより4回生に対して失礼だった。4回生の本気の姿勢を目の当たりにし、この人たちのためにサッカーをしようと心に決めた。

そしてこのミスから、2つのことを学んだ。一発勝負の世界は、いつも通りプレーしようと心がけていても、その通りにプレーできるような甘い世界ではないこと。そして、私のミスを全力でカバーしてくれる頼もしい仲間がこのチームにいることを。

Bチームには、4回生の少なさを感じさせないくらいしっかりしていて頼り甲斐のある3回生、そんな3回生を見て、不器用ながらも少しでもチームに良い影響をもたらそうとしている2回生、そして上回生に素直についてきてくれる1回生がいる。私はこんなにも素敵なメンバーで構成されたBチームが大好きだし、1日でも長くこのチームでサッカーがしたい。いや、する。

現在Bチームには4回生が4人いる。中西さんは、ピッチ内では厳しい声でチームを引き締め、ピッチ外では積極的に後輩と会話をしてくれ、チーム全員から愛されるとても頼れるキャプテンだ。小野さんは、常に本気で負けず嫌いで、明るい性格でチームを盛り上げ、みんなを笑顔にしてくれる。征也さんは、Iリーグ決勝前日のPK練習で、ずっと同じ方向に蹴っている私に対し、自信を無くさせないようにわざと逆に飛び、決めさせてくれるという素晴らしい心の持ち主だ。マネージャーの早耶さんは、誰にでも優しく笑顔で接し、チームに安心感をもたらしてくれる。こんな4回生のために、私は誰よりも走る。2回生の立場でこんなことを言うのは生意気かもしれないが、私が4回生を、全国の頂点に連れていく。

2回生 宇都木峻

2016-11-16
薬味のネギ(柴山侑果)

ある日友だちとたこ焼き(関学の裏の)を食べていた時、ふと思った。「あ!私はネギになるんだ。」

ネギは基本的に薬味に使われ、料理として主役となることは少ない。最後にちょこっと、だけど真ん中に堂々と、あらゆるメイン料理の上に佇んでいる。使い勝手がよく、あってもなくてもいいかもしれないけれど、あったらすごく大きな存在。そう思った。

私は大学に入って部活をしようとは思ってなかった。小・中学校でバレーボールをやっており、たまにトレーナーの人が来てくれていた。あまり物事に興味を示さない自分が、漠然とだけどトレーナーに興味を持っていた。

大学内を歩いていたある日。大学の部活にはマネージャーの他に、トレーナーという役職もある事をビラ配りで初めて知り、体験をさせてもらった。私は今まで面倒くさい事、重要な事は他人任せで、責任感のあまりない人だった。しかし、私は女性なので、社会人になる時に向けて男性社会で生きていく力をつけたかった。そこで、自分の可能性が自分次第で広がっていくサッカー部に惹かれた。ここならそんな自分を変えられる。そう思い、サッカー部に入部した。

大規模な集団に対して少人数のスタッフ。コンダクターというのはほんとに幅広く、無限大だ。コンダクターの中でも、立場によって仕事も大きく異なる。与えられた仕事をただ淡々とこなすだけでなく、自分でやるべき事を模索し、仕事にしていく。今自分は何を第一優先にすべきか、何を求められているのかを先読みし行動する。本当に自分次第でどんどん成長できる魅力のある役職だ。単にサポートをしていると思われがちだが、私は自分のなりたい像を追求していく結果として選手のサポートに繋がっていると思う。

スタッフは自分が直接的に戦うわけではない。今までサッカーとの関わりがなく、こんな立場が初めてな私にとって、一回生の頃はどこか他人事の様に思えて、モチベーションを維持するのが難しい時もあった。でも時間と労力を毎日費やしていくうちにその気持ちが変わっていった。

11月3日。Iリーグ決勝トーナメントの決勝戦。私が帯同するBチームは接戦の末関西制覇を逃し、準優勝で全国大会に出場となった。これまでの試合では見ることができた、みんなの笑顔で喜ぶ姿が見られなくて本当に悔しい気持ちでいっぱいだった。怪我が痛かろうが、足がつってようが、死ぬ気でボールに向かって走る姿を見て、「自分もこの人達のために今以上にもっと頑張らないと!」と思った。こんなんじゃ終われない。毎回応援してくれるA・C1・C2チーム・スタッフのために、ボロボロになっても必死で戦う子どもを応援する選手の家族のために、みんなの全力で喜ぶ姿をもう一度見るために、私は面と向かいぶつかり合って戦えない分、環境作りに徹し、常に全力を出せる状態にする。そして関学サッカー部にとってかかせない存在になるため、前向きに仕事に取り組みながら選手個人個人と向き合い、いつ何時でも頼られる、薬味のネギみたいな存在になる。

2回生 柴山侑果

2016-11-9
負けられない理由(宮村哲朗)

関西学生サッカーリーグは、残すところあと一試合になった。後期を思い返せば、何一つ満足のいく結果を残すことはできていない。目標だったリーグ優勝を逃し、部員やたくさんの人の協力のもとで行われた関関戦は、後期も負けてしまった。

そして、最終節は優勝を決めた阪南大学との一戦になる。前期最終節の阪南大学との試合は0-3の完敗だった。私はこの試合、前半で交代となってしまった。なにもできなかったことがなにより悔しかった。懸かった試合で情けないプレーしかできず、チームに対して申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。

だからこそ、四年間で最後の関西学生リーグの試合となる阪南大戦では、これまで味わってきた自分の悔しさを、チームの悔しさをぶつけたい。自分の足で、自分の声で、自分の気持ちでチームを勝たせたい。私はこの試合に全力をぶつける。それが四回生としての責任でもある。そして、この試合に勝ち、リーグ戦を二位で終えることに意味がある。昨年の先輩たちが僕たちに残してくれた今年の有利なスタートを後輩たちにも残すために、絶対に勝つ。

自分やチームの悔しさを晴らすため、後輩たちに置き土産を残すため、そして関学サッカー部への感謝を示すため、この試合は絶対に勝たなければならない。関学らしく積極的にゴールへ向かうプレーをし、この試合に必ず勝つ。

4回生 宮村 哲朗

2016-11-2
悔しさ(星野遼河)

私がこれまでのサッカー人生で最も印象に残っていることは、関学サッカー部に入って味わった「嬉しいけど、少し悔しい」という気持ちである。これは、いつも自分が試合に出ることが当たり前だった高校時代までは、決して味わうことの無かった応援席での気持ちだ。関学が良い試合をしていると、自然と応援に熱が入る。関学が負ければもちろん悔しいが、勝って試合が終ったとしても少し悔しい気持ちになる。

私は関学サッカー部でこれまでに多くの悔しさを経験し、そこから多くのことを学んできた。一昨年のインカレ決勝で敗れた悔しさをバネに、昨年関学は四冠を成し遂げた。私自身もAチームからBチームに降格した悔しさをぶつけ、後期のIリーグは全勝し、トーナメントを迎えることができた。このように、悔しさによって起こるエネルギーは多大なものであることが身に染みてわかった。

現在、私はBチームでIリーグを戦っている。Iリーグはトップチームで試合に出ていない、悔しさを持った選手ばかりの戦いであるため、トップチーム同士の対決とはまた違った魅力がある(試合に足を運んで下さればわかります)。勝てばチーム全体に刺激や勢いを与え、それがAチームの勝利にも繋がっていくと信じている。

そしてBが結果を出すことによって、これからAチームが勝ち続けることができるようになれば、私は「少し悔しい思い」をすることになる。しかし、その悔しさは私を成長させてくれるだろう。ただそれだけで今年を終える気は更々ない。Iリーグでは最高の思いを味わってみせる。そのためにも、明日行われる決勝で、昨年敗れている関大ULTRASに私自身が結果を出してリベンジを果たし、必ず関西制覇する。

3回生 星野遼河

2016-10-26
やみつき(稲本 樹)

私は高校生のとき、女子サッカー部のマネージャーをしていた。そして今は男子サッカー部のマネージャーを務めている。「なんで男子サッカー部なの?」とよく聞かれるが、それには理由がある。

私がいた高校の女子サッカー部は総勢25人ぐらいしかいない小さなチームだった。そこにマネージャーが3人。多いと思われることもよくあったが3人でもそれなりに仕事が多かった。でも大学は100名以上の選手にマネージャーが7人。それを知って、高校とは比べものにならないぐらいの規模のチームで自分がどれだけできるのか試したかった。

そして、大学生となって周りの友達に
「マネージャーしてる。」と言えば
「え、洗濯とかするん?」
「いいえ、しません。」と期待に添えられず、
「じゃあ、水渡すん?」と次に聞かれると、「うん、そんな感じ」と言うとだいたい腑に落ちられる。
(あ、いや、でもそれだけじゃないですよ…。)と内心遣る瀬無さを感じることが多い。

基本的にマネージャーの仕事は、選手の給水タイムに合わせてボトルを出したり、メニューに沿ってそのボトルを配置したり、アイシングのための氷を袋に詰めたりと単純作業の繰り返しだ。ただ、それは練習中におけるマネージャーの仕事のひとつであって、他にも対外試合の際に必要な用具等をまとめて用意したり、チームの運営に関わるお金の集金、管理等と、練習外での仕事の方が多い。

このことを人に話してみると、
「それ週6でして、オフは授業ある日とか全然休めへんやん、よくやるなそんなこと」とか「人のためにそんな尽くされへん」とか言われる。確かに、この内容だけを見たら、そう思われても仕方ないだろう。

それでも、なぜマネージャーを続けるのか。その理由を挙げるとするならば、それは「やみつき」という一言に尽きる。

私たちマネージャーは全員で7人いて、4つあるカテゴリーに分かれ、それぞれのカテゴリーのスタッフとして1年間活動する。そうすると、担当するカテゴリーの選手やスタッフと長い時間を共にすることとなり、多くのことを感じることができる。

例えば、上のカテゴリーに上がりたくて必死に練習して、ときには居残って練習して、選手同士がお互いに切磋琢磨する姿をみて応援したくなる感じ。
自分のチームの選手が上のカテゴリーに上がれた時の嬉しさとなんだか寂しい感じ。
チームが一致団結して絶対勝ちに行くぞと燃える感じ。
ギリギリの試合をしているときのハラハラした感じ。
勝った時の心が暖かくなる感じ。
負けた時、悔しい結果になったときの苦しい感じ。
そしてなによりも、苦しい試合を制したときの全員で喜ぶ感じ。これを一度味わってしまったから、私は「やみつき」なのだろう。

実はもう1つ、このサッカー部に入部した大きな理由がある。それは、自分が4回生となったときに、関学サッカー部の創立100周年という記念すべき年を日本一で飾ることができるチャンスがあるからだ。

入部してから現在までサッカーをもっともっと間近で見るようになってサッカーに対しての見方が変わった。それは命懸けであるということだ。目の前で足と足がぶつかり合う痛々しい音と共に必死にボールを奪い合って、どれだけ弾き飛ばされても転んでも立ち上がる。どれだけ苦しくても、足がつっても足を止めることなく必死に走ってぶつかりにいく。もし、私が選手だったら、そんな命懸けなことはできないし、すぐ逃げ出していただろう。

でも、関学サッカー部の選手たちは絶対に逃げ出さず、1人が下を向けばもう1人が駆け寄り手を差し伸べ、そして手を取り合って前に進む。本当にすごい人たちばかりだ。そして、そんな人たちを私は誇りに思うし、やる気と元気をもらえる。また4年間マネージャーとして選手を支えられるように前に進んでいきたいと思える。だから関学サッカー部のマネージャーでいたい。
これも私にとって「やみつき」なのだろう。
「やみつき」にさせてくれた関学サッカー部の選手やスタッフの人たちと共にこの関学サッカー部を支えていきたい。

2回生 稲本樹

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