部員ブログ
「四冠の関学は終わった。」
私はそう思う。決して弱くなったと言いたいのではない。二年前からメンバーがガラリと変わった今、「四冠の関学」は、「新たな関学」へと進化していかなければならないという危機感を私は抱いている。現状維持は衰退の始まりで、組織が結果を残し続けるためには変化し続けなければならないのだ。
新たな関学を作っていくためにはまず、四冠の関学が終焉したことを自覚する必要がある。もし自覚できたとしても過去の栄光と現在を比較して苦悩したり、新たなことを受け入れられない時期が来る。今の関学はそんな終わりと始まりの間で、もがいている状態にあると思う。
このように、サッカー部を進化させるためには、174名の部員一人ひとりが変わることが必要だと考える。ここでいう「変わる」とは、サッカー部の現実をありのままに受け入れ、各個人が今の発想や行動を、今年度の目的・目標達成のために最善となるように変えるということだ。
ただ、変化には犠牲がつきものだ。何かを犠牲にしなければならないこともこれからたくさん出てくるだろう。それでも大好きなサッカーで真剣勝負ができる喜びや、自分たちの周りには支えてくれる人たち、応援してくれる人たちがたくさんいることを考えれば絶対に頑張りたいと思うし、色んなことを犠牲にしてでも必ず結果で応えたい。
私は今年の春、チームのみんなの信頼を裏切るようなことをしてしまった。自分の浅はかな行動で、チームを目的から遠ざけてしまったことに対して、反省してもしきれない。正直、口だけの人間と思われているかもしれない。それでもチームが一体感を見せ日本一になるためにどうしても伝えたいと思い、部員ブログを書いた。
地に堕ちた信頼はあと二年かかっても取り戻せないかもしれない。それでも、チームの目的を達成するために、自分のちっぽけなプライドなんか捨てて、たとえ嫌われようとも私ができるベストな行動だと思ったら、何だってする。
もう私に次はない。こんな自分を変えたい。関学サッカー部で変われなかったら一生変われない。
私は本当に、覚悟を持った男になりたい。
3回生 藤原 樹
4月9日、天皇杯兵庫県予選決勝、私はピッチに立っていた。試合の重大さを分からず、ただただ公式戦に出場できる喜びだけが私を動かしていた。
試合は後半ロスタイムに同点に追いつくもPK戦の末、敗北を喫した。悔しがる先輩たち、そして、熱く応援し続けてくれている声援のなかで、ようやくその重みに気がついた。「負けられない」「勝ちたい」その気持ちが沸き上がるとともに、自分も関学サッカー部の一員であるということを強く実感した。
私が関学サッカー部に入部した理由。それは、部員一人ひとりがチームのために何をするべきなのかを常に考え、行動する主体性とその一体感に魅力を感じたからだ。
実際に活動していくなかで、さらに多くのことに魅了されている。日々の練習では、常にプレーの質、一つひとつの結果にこだわり、互いに要求し合い、激しく厳しい環境を自分たちで作り上げている。練習以外の面では、清掃活動やサッカースクール、講演会や木鶏会など、様々な視点からサッカーと向き合うことができる。そして何より、関学サッカー部には熱く温かい心をもった人達が大勢いる。
関学サッカー部は、日本一になるのにふさわしいチームであるということ、一人の人間として、学生として、人間的に成長できる環境があるということを私は確信した。
私が入部してからまだ数ヵ月しか経っていない。しかし、多くの刺激を受け、たくさんの感動を覚えた。一つの組織が同じ目標に向かって本気で取り組むことの素晴らしさ。自ら考え、行動することの偉大さ。「このチームで勝ちたい」そういう気持ちがさらに強くなった。応援してくれる人、支えてくれる人、そして仲間のためにも、この気持ちを忘れず、チームのために出来ることを体現し続けたい。
この大学四年間で様々なことに挑戦し、色々な面で自分を成長させたい。そして、関学サッカー部の主体性、一体感の中で、勝利に貢献し、日本一という目標を達成する。
1回生 青木 駿
過去を振り返ると多くの挫折を思い出す。小学校のチームでは全国大会出場を目指したが、準決勝で敗れて、それは叶わなかった。中学時代は横浜市大会でさえも勝ち上がることはできなかった。高校時代は無名校だが、全国大会出場に向けて本気で取り組んだ。しかし、総体予選も選手権予選もあと1勝で全国というところで敗れてしまった。あの時こうしていれば…と何度も後悔した。
同時にいつも未来への漠然とした不安があった。高校に入ったらすぐに試合に出られるだろうか。チームの掲げる県制覇を成し遂げられるだろうか。大学では本当にやっていけるのだろうか。関学は強豪で、なにひとつ実績のない私では一度も試合に出ることなく終わるのではないか。どのカテゴリーでもスタメン争いは熾烈を極め、Aチームに上がる事は到底叶わないかのようにも思えた。
遠い過去や未来のことでなくても、前の試合でなぜあのようなミスをしてしまったのか。次の試合では無失点で勝てるだろうか。日々様々なプレッシャーに押し潰されそうになりながら過ごしていた。
そんな不安を常に抱えていた私だったが、「嫌われる勇気」という本の一節を読んで考え方が一転した。
『人生は連続する刹那であり、過去も未来も存在しません。あなたは過去や未来を見ることで、自らに免罪符を与えようとしている。過去にどんなことがあったかなど、あなたの「いま、ここ」にはなんの関係もないし、未来がどうであるかなど「いま、ここ」で考える問題ではない。』
当たり前のことに気づかされた。ごちゃごちゃ考える前にとにかく目の前のことに真剣に取り組む。毎日の練習、その中のワンプレー、筋トレや食生活、睡眠に至っても、全てにおいてその時の最善を尽くす。
先日、Aチームへの昇格が決まった。与えられたチャンスにワクワクする気持ちもあり、早く関西学生サッカーリーグのピッチに立ちたいという焦りのようなものもある。だが、迷う必要はない。私のやるべきことは、「いま、ここ」に全力を尽くすこと。この瞬間を全力で生きること。それだけだ。
2回生 竹本 将太
私の人生はいつもサッカーが中心で、”サッカー”という場所が私の居場所だったが、今年でサッカー人生はラストイヤーとなる。
当たり前のように毎日サッカーをしてきた日々が終わり、当たり前が無くなるという事に、まだ想像すら出来ない不安、寂しさが私を襲う。
私はこれまで、サッカー人生が短くなっていく事に気付く度に「このままで終われるのか?」と自分に問いかけてきた。そして、「終われない」といつも答えていた。引退まであと数ヶ月の現在ですら、その答えは変わらなかった。
関学サッカー部でサッカーが出来た事を誇りに思う。
チームの為に自分が出来る事は何かと全員が考え、それをチームに反映させる様々な価値観、考え方を持つ個性豊かな仲間と出会えたからだ。
関学で本当に色々な経験が出来た。2部リーグから1部リーグになかなか昇格出来ない悔しさやもどかしさ、「チームの為に」という気持ちの大きさを知り昇格を果たした嬉しさ、1部リーグで勝ちきる事の難しさ、自分自身の未熟さなどを感じてきた。
4回生になりチームの体制の変化に伴い大人の専属コーチがいなくなるなど、様々な変化の中で目的・目標達成の為に学生が主体となって活動する難しさを知った。
その反面、学生が一体感を持って同じ目標を目指す事の出来る素晴らしさも毎日体感している。このような経験は関学だからこそ出来たのだと考える。
こんな毎年変わりゆくチーム状況の中でも、誇りに思える仲間に出会えたから、私は女子チームが著しく成長していく場にいられたのだと思う。
そして、常に成長していく関学サッカー部に入部した事で、自分という人間がどういう人間なのか、私自身がチームの成長の為に何をすべきかを考える事が出来るようになったと思う。だから関学でのサッカー人生は今後の人生にとって大きな支えとなるものになるだろう。
また、私のサッカー人生にとって大きな存在であるのが母である。母は、どんな遠い場所でも必ず試合を応援しに来てくれて、どんなに負け続けても応援し続けてくれた。大好きなサッカーを続けてこられたのは、サッカー人生を一緒に歩んでくれた母の存在があったからでもある。
関学女子チームが日本一を目指す最初の一歩となるインカレ初出場を、この年にこのメンバーとともに踏み出すことで、私を成長させてくれた関学と、支えてくれている可愛くて仕方ない後輩に恩返ししたい。また、母にもインカレ出場というプレゼントをして、今までの感謝の気持ちを伝えたい。
しかし、「このままでは終われない」という答えを持っている状態では、目標を達成させる事は出来るわけがない。
その為、私は副将としてどんな状況でもチームに火をつける存在となり、チームをインカレ初出場に導きたい。誰よりも目標に対して熱い気持ちを持ってチームにぶつける。まず私自身が誰よりも必死になり、チームのモチベーションになる。
必ず春リーグをインカレ初出場へと繋げる。
女子チーム4回生 伊藤 千央
「今まで本気になったことは何回あっただろうか」
このことを最近よく考える。小学2年から続けてきたサッカーも今年で15年目になる。なんでこんなにも続けることができたのか。それは、単純に好きだから、とことん極めたいといった気持ちも少なからずある。でも、1番根底にあるのは周りの環境に恵まれていたからだと思う。
高校までのチームは全くの無名だったが、それなりに頑張るチームだった。そんなチームでも勝つために本気で過ごしていた。どのチームに属していたときも中途半端な人はおらず、本気でぶつかり合える仲間がいたからだ。そして、サポートしてくれる両親がいたからだと思う。
大学でも素晴らしい仲間に出会うことができた。この組織では本当に色んな人が、関学サッカー部のために全力を尽くしている。自分たちが納得するまでミーティングを重ねたり、役職の仕事を全うしたりする。全部員が自分たちの可能性を信じて過ごしている。
私は幸いにも今年Cチームのキャプテンを任された。少し複雑な気持ちを抱いた。なぜなら、チームを引っ張る立場に就くことに誇りを感じている一方で、キャプテンを務めることで、上のカテゴリーに上がることが難しくなるのではないかと思ったからだ。また、キャプテンとしての自分に不甲斐なさと難しさを痛感した。しかし、大人スタッフがいないCチームだからこその可能性を信じている。その可能性を証明するためにIリーグで勝ち、全国大会に出る。
ただ、今年のチームは全体を通して、まだまだ本気になれていない。何度もミーティングを重ねて掲げた、目的・目標を達成するにはまだ足りない。4回生がもっと本気にならないといけない。
だから私もサッカー人生最後の1年、本気になる。両親のためにも、関学サッカー部のためにも。このチームが好きだから。
4回生 松本 晃一